【1Q】川名担当
今年度は例外的に、下記のとおりとする。
参考までに、変更前の内容をシラバスのカラムに残すが、今年度の授業には適用されない。
履修時期を来年度以降にするかどうかの判断材料にされたい。
今年度の授業は次のように行う。
受講生は、熟読すること。
課題図書:
保城広至『歴史から理論を創造する方法―社会科学と歴史を統合する』(勁草書房、2015年)を読み、レポートを提出する。
本講義は、zoomの脆弱性と授業運営上のリスクを回避するために、このような形式で授業を行う。履修者は、社会科学における「歴史」の扱いを考察した同書を読み、具体的なリサーチ・プロポーザルを検討することで、従来の対面授業と同等の学習効果を得られる。一冊の本をじっくり読むこの機会を有効に活用してほしい。
1) 初回(5月8日金、3-4限)のガイダンスのみ、zoomで行う。ID等はメールで通知する。ただし、インターネット環境にない者は受講しなくてよい。本授業において単位を取得するために必要な情報は、すべて下記にある。
2) 課題図書は生協やECサイトを通じて各自購入すること。在庫切れ等の理由により、どうしても入手できない者は、購入可能な別の図書を指定する場合がある。該当する者は、教員にメールで相談すること。なお、授業開始の時点で指定図書を入手できていなくても構わない。(※図書を入手できない者のために、教員が指定図書の一部をPDFで提供する可能性も検討したが、著作権法第35条に鑑み、行わないこととした)
3) 出席はとらない。期末試験も行わない。
4) レポートは単なる書評ではない。課題図書の内容を踏まえ、実際のリサーチ・プロポーザルを設計することが求められる。なお、ここでのリサーチ・プロポーザルの対象は、実際の修士論文で扱うテーマに限定されるものではない。自由なテーマで、自由に設計してよい。
5) レポートの執筆にあたっては、入手可能な範囲で、他の論文や書籍にあたること。
① 参考図書:
¬ 社会科学の方法論に不慣れな者は、久米郁男『原因を推論する―政治分析方法論のすすめ』(有斐閣、2013年)を読むとよい。
¬ 学部ですでに学習した者は、アレキサンダー・ジョージ、アンドリュー・ベネット『社会科学のケース・スタディ―理論形成のための定性的手法』(泉川泰博訳、勁草書房、2013年)が参考になる。
¬ さらに理解を深めたい者には、Andrew Bennett and Jeffrey T. Checkel, Process Tracing: From Metaphor to Analytic Tool, Cambridge: Cambridge University Press, 2015. を薦める。
② 国立国会図書館のレファレンスサービス「リサーチ・ナビ」を積極的に活用してほしい。https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
③ 論文を読みたい場合は、J-STAGE、Google Scholar、CiNii等を活用すること。
6) レポート〆切: 6月19日(金)、23時59分まで。
7) レポート提出: OCW-iに提出。ネット環境上、それが難しい学生は、配達記録が残るかたち(レターパック等)で教員の指定する住所に送付する。そのような学生はメール(shinji.kawana@ila.titech.ac.jp)で申し出ること。
8) 分量: 3,000字以上(分量の多寡は評価と無関係)
9) 質問がある場合:
① メールで受け付ける。宛先は、shinji.kawana@ila.titech.ac.jp 質問が大量に来た場合、教員による返信は原則、授業時間内に行うこととする。学生はメールのマナーに十分、注意してほしい。
② 5月22日(金)、6月5日(金)の3-4限に、zoomによる質疑応答の時間を設ける。ID等は、メールで通知する。質問のある学生は参加すること。なお、参加しなくとも評価には一切、影響しない。
10) レポートの評価基準:
① 課題図書に書かれている社会科学の方法論とその課題を十分に理解しているか。
② リサーチ・プロポーザルが緻密に設計されているか。つまり、問い、仮説、仮説の実証方法が論理的に接合されており、かつ研究の実行可能性が高いかどうか(あるいは、それを教員に伝えられているかどうか)を評価する。
③ なお、剽窃(コピペ)等が発覚した場合、学内の規定に則り厳正に処する。
以上
―以下は、参考までに、本来であれば行うはずだった川名担当授業に関する情報である。
繰り返すが、変更前の内容を以下のカラムに残しているが、今年度の授業には適用されない。
政治・法律・行政分野の特論をつなぐ、各種の研究方法論について学習する。
政治・法律・行政分野の基本的な事例研究とそのリサーチデザインについて学習し、各履修者が実践的な研究計画をつくる。
【2Q】中島担当
私たちはフィールドワークや観察などを通じて「他者」と出会い、その「他者」を表象します。また学問的な見地に基づき、様々な現象を分析し、記述します。しかし、この表象という行為には、危うい暴力が潜んでいます。授業では「知と権力」の問題を考え、他者を記述することの可能性と課題を考えます。
【1Q】川名担当
政治・法律・行政分野の各種方法論を学習し、具体的な問題に適用することができるようにする。
また、近年の社会諸科学における事例研究に関する議論を把握し、説明できる。
各履修者が研究計画を立て、その内容を他者に理解させ、フィードバックを踏まえ改善できる。
【2Q】
①他者を表象することの難しさを理解し、その危険性を知る。
②知と権力の関係性を理解し、具体的な政策の場に応用する力を養う
【1Q】
ケーススタディ、リサーチデザイン
【2Q】
他者表象、知と権力
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
【1Q】
社会科学における方法論、およびリサーチデザイン等について学ぶ。
【2Q】
授業とディスカッションを組み合わせながら進める
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | なし |
第2回 | 認識論 | 『社会科学の考え方』第1章 |
第3回 | 理論とはなにか | 『歴史から理論を創造する方法』第1章 |
第4回 | 説明とはなにか | 『歴史から理論を創造する方法』第2章 |
第5回 | 帰納/演繹/アブダクション | 『歴史から理論を創造する方法』第3章 |
第6回 | 過程追跡 | 『歴史から理論を創造する方法』第5章 |
第7回 | 事例研究とはなにか | 『社会科学の考え方』第2章 |
第8回 | フィールドワーク | フィールドワークについて学ぶ |
第9回 | エージェンシー・日常的実践・抵抗 | 主体について学ぶ |
第10回 | 政治と主体 | デリーのスラムの事例から、フィールドワークに基づく記述について学ぶ |
第11回 | 弱者の表象―サバルタンスタディーズ | サバルタンスタディーズについて学ぶ |
第12回 | 文化・伝統の表象-オリエンタリズム論 | エドワード・サイード『オリエンタリズム』を論じる |
第13回 | ジェンダーの表象-ジェンダー/セクシャリティー論 | ジェンダーの表象について学ぶ |
第14回 | まとめ | まとめと議論 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
野村康『社会科学の考え方』名古屋大学出版会、2017年
保城広至『歴史から理論を創造する方法』勁草書房、2015年
適宜用意する。
【1Q】
各回における討議(60%)と発表(40%)による評価。
【2Q】
各回における討議(40%)とレポート(60%)による評価。
社会科学についての一定の知識があることが望ましい
shinji.kawana[at]ila.titech.ac.jp
tnakajima[at]ila.titech.ac.jp
指定された教科書を必ず用意すること