(3Q 江川)フィールドワークは、「現場」をなによりも大切にする方法論です。研究対象である地域や集団(現場)に入り、現場で起きている事象を読み解き、論理的な解釈を加えることで、現場が抱える課題の発見・解決につなぎます。変化が激しく、既存の理論に収まりきれない複雑な現代社会を読み解くための強力なツールといえます。
講義では、フィールドワークの基礎知識と技法を、グループワークを交えて体験的に学びます。
(4Q中島)私たちはフィールドワークや参与観察などを通じて「他者」と出会い、その「他者」を表象します。また学問的な見地に基づき、様々な現象を分析し、記述します。しかし、この表象・記述という行為には、危うい暴力が潜んでいます。授業では「知と権力」の問題を考え、他者を記述することの可能性と課題を考えます。
(前半)
1)フィールドワークの基本的特徴・技法を説明できる。
2)客観的なフィールドノーツの記述ができる。
3)フィールドワークを実施し、レポートを作成できる。
(後半)
①他者を表象することの難しさを理解し、その危険性を知る。
②知と権力の関係性を理解し、具体的な政策の場に応用する力を養う
(前半)フィールドワーク、地域、(後半)他者表象、知と権力
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
(前半)基礎知識を学んだあと、フィールドノーツの書き方を実践的に学びます。ミニフィールドワークの実践とグループワークを通じて、データの分析手法を体験的に学びます。最後にデータの分析結果をまとめて発表し、レポートを作成します。
(後半) 授業とディスカッションを組み合わせながら進める
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業オリエンテーション, フィールドワークの特徴、基礎知識 | 授業の概要とフィールドワークの基礎知識を理解する。 |
第2回 | 現地調査とフィールドノート | フィールドノートの作成を学ぶ |
第3回 | グループワーク:フィールドノート、中間復習 | フィールドノートの書き方を習得する。これまでの学びを整理する。 |
第4回 | 分析の基礎 | 分析の基礎を学ぶ |
第5回 | ミニフィールドワークの実践 | フィールドワークを体験する |
第6回 | グループワーク:データ分析 | データ分析方法を学ぶ |
第7回 | 報告・議論 | 成果をまとめる |
第8回 | 他者を表象すること① | 文化の表象について考える |
第9回 | 他者を表象すること② | 伝統の表象について考える |
第10回 | 他者を表象すること③ | サバルタン・スタディーズを学ぶ(弱者の表象) |
第11回 | 他者を表象すること④ | ジェンダー・スタディーズを学ぶ(ジェンダーの表象) |
第12回 | 知と権力① | 水俣病と東京工業大学 |
第13回 | 知と権力② | ゲスト |
第14回 | 知と権力③ | 和解について考える |
第15回 | 総復習 | 全体を振り返る |
(前半)小田博志、エスノグラフィー入門 <現場>を質的研究する、春秋社(2010)
(後半) 特になし
(3Q・4Q)講義資料:必要に応じて講義中に配布する。
(前半)フィールドワークの特徴・基礎知識の習得、データ収集・分析の適切さを評価する。
配点は、出席・GW(30%)、期末レポート(70%)
全出席と課題への積極的取り組みを原則とする。
(後半) レポートによる…中間レポート(50%)と期末レポート(50%)の2回
(前半・後半)とくになし