授業の題名は 「我々と音楽:人間性と音楽を考える」です。 音楽とは何か、人生においてどのような役割があるかについて、民族音楽学という、ほぼ40年前から日本の学界に根付いている分野の観点から考察します。 また、文化人類学を元にする人類の音楽行動へのアプローチの基本概念、方法論、知識的そして実際的応用を紹介します。
この授業の到達目標は
・ 民族音楽学者において、音楽を考察するために採用されている主な概念や方法を理解する
・ 音楽についての学術的論文を評価します
・ 一次的及び二次的出典を利用した上で、音楽に関するテーマについての ペーパー/ 小論文を作成します
music, humanity, ethnomusicology, anthropology, fieldwork, music-making
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
(1) 学生たちは各授業までに教科書の指定された章を読み終えていなければなりません。毎週履修する人数により一人ないし2人が質問あるいは討論課題を担当します。
(2) 各授業においては指定された章の感想についてディスカッションを行います。質問や討論課題には、全員積極的に参加することを期待されます
(3) 第8週には教員が承認したテーマについて短い個人プレゼンテーションを行います。(プレゼンテーションに基づいたペーパー/小論文を授業後1週間以内に提出することとなります。)
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業の方針の説明. 人間はなぜ、そしてどのように音楽を「する(つくる)」か、話し合う。 Rice 2014 Chapter 1. Rice 2014 Chapter 1. | 民族音楽学の諸定義 |
第2回 | 用意してきた Rice 2014 Chapter 1の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 多様な文化の音楽を対象とする研究及び民族音楽学の歴史 |
第3回 | 用意してきたRice 2014 Chapter 3の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 民族音楽学の研究方法論 |
第4回 | 用意してきたRice 2014 Chapter 4の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 音楽の本質についての様々な解釈 |
第5回 | 用意してきたRice 2014 Chapter 5の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 文化としての音楽。様々な文化の様相と音楽との関連。 |
第6回 | 用意してきたRice 2014 Chapters 6 and 7の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 音楽伝承の代表とされている個々の音楽家たち。音楽伝承の多様な歴史。口頭史と音楽。 |
第7回 | 用意してきたRice 2014 Chapters 8 and 9の問題点を出し合い、それを手がかりにこの箇所のテキストを巡って議論する。 | 民族音楽学における最近の傾向。民族音楽学者の研究現場での動きと、音楽家、音楽産業、行政や大学との関わり。 |
第8回 | 学生が提案したテーマについて個人プレゼンテーション。それを批評し合う。 | 勉強してきた民族音楽学による概念や方法についての理解を示すこと。(プレゼンテーションに基づいたペーパー/ 小論文を授業後1週間以内に提出する。) |
Ethnomusicology: A Very Short Introduction. Timothy Rice, (Oxford University Press 2014; 120 pages)
授業における議論の流れに則して適宜紹介する。
授業への取り組み:30%
Presentation: 30%
期末のレポート:40%
音楽学や音楽理論に関する高いレベルの知識や経験は必要ありません(このことについて質問があれば授業開始より前にe-mailにてお知らせください)。必須事項は、音楽をじっくり聞き、音楽を深く理解したいという願望を持ち、なぜ人間が音楽無しでは生きられないのか知りたいと希望すること、また、音楽について理論的に考察し、話し、描くことができるようになることが目的です。また、英語で読み書きできることも必須で.
(不明な場合は担当教員に相談のこと)
Ideally students in this course would also take the 2017 course, Graduate Lecture in Culture and Arts S1B.