(前半桑子)地域づくりにおけるフィールドワークおよびワークショップの方法は、地域空間の価値構造を把握し、課題を明確化して、その解決にむけたプロセスを含むプロジェクト全体のデザインを行い、これを実行することです。授業では、グループワークによりフィールドワークとワークショップを統合した方法を学びます。
(後半江川)フィールドワークは、「現場」をなによりも大切にする方法論です。研究対象である地域や集団(現場)に入り、現場で起きている事象を読み解き、論理的な解釈を加えることで、現場が抱える課題の発見・解決につなぎます。変化が激しく、既存の理論に収まりきれない複雑な現代社会を読み解くための強力なツールといえます。
講義では、フィールドワークの基礎知識と技法を、体験的に学び、こうした手法を用いて、地域の課題を発見し、解決方法を提案できることを目指します。
(前半)
1)フィールドワークショップの特徴を説明できる。
2)合意形成のプロジェクトマネジメントの概要を説明できる。
3)具体的なフィールドでプロジェクトをデザインできる。
(後半)1)フィールドワークの基本的特徴・技法を説明できる。
2)客観的なフィールドノーツの記述ができる。
3)地域でフィールドワークを実施し、データの収集・分析、レポートの作成ができる。
(前半)
フィールドワークショップ、合意形成、プロジェクトマネジメント
(後半)フィールドワーク、地域、
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
(前半)はじめに大岡山地区に出て、地域空間の価値構造認識を試みます。この経験を基礎に、フィールドワークとワークショップの方法とプロジェクトマネジメントの方法をディスカッションを通じて学びます。最後に具体的なプロジェクトをデザインします。
(後半)基礎知識を学んだあと、フィールドノーツの書き方を実践的に学びます。課題として各自が選択した調査地域でデータを収集し、そのデータを用いて、分析手法をグループで体験的に学びます。データの分析結果をまとめて発表し、各自レポートを作成します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業オリエンテーション, フィールドワークの特徴、基礎知識 | 各授業内で指示する。 |
第2回 | フィールドワークショップの方法 | 各授業内で指示する。 |
第3回 | 空間の価値構造認識の方法 | 各授業内で指示する。 |
第4回 | 空間の価値構造認識の実践Ⅰ | 各授業内で指示する。 |
第5回 | 空間の価値構造認識の実践Ⅱ | 各授業内で指示する。 |
第6回 | コンフリクトアセスメントと合意形成のデザイン | 各授業内で指示する。 |
第7回 | 報告・議論 | 各授業内で指示する。 |
第8回 | (後半)9回目からの授業オリエンテーション, フィールドワークの特徴、基礎知識 | (後半)後半の授業の概要およびFWの基礎知識を理解する |
第9回 | フィールドワークの実例紹介と解説、個人調査対象地の選定に向けて | フィールドワークの対象を検討する |
第10回 | フィールドを体験する、フィールドノートを書いてみる | フィールドワーク対象検討およびフィールドノーツの書き方を学ぶ |
第11回 | フィールドノートの検討、これまでの学習内容の復習 個人調査計画の確認 | フィールドワーク対象検討およびフィールドノーツの書き方を学ぶ |
第12回 | グループ分け・役割分担決定と分析手法の説明 | データ分析方法を学ぶ |
第13回 | グループワーク1.分析 | データ分析方法を学ぶ |
第14回 | グループワーク2.分析 | データ分析方法を学ぶ |
第15回 | 調査成果の発表と討議 | 成果をまとめる |
(前半)桑子敏雄『社会的合意形成のプロジェクトマネジメント』(コロナ社、2016)
(後半)
参考書:小田博志「エスノグラフィー入門<現場>を質的研究する」春秋社、R.エマーソン他「方法としてのフィールドノート:現地取材から物語作成まで」新曜社
講義資料:必要に応じて講義中に配布する。
(前半)通常の授業への参加態度およびプロジェクトの計画書により評価する。
(後半)フィールドワークの特徴・基礎知識の習得、データ収集・分析の適切さを評価する。
配点は、演習(30%)、期末レポート(70%)
全出席と課題への積極的取り組みを原則とする。
(前半)とくになし
(後半)特になし