環境配慮の重要な手段である環境アセスメントについて、その理論と実際を論じる。アセスの意義と効果およびその限界、法制度の規定内容について、具体事例を踏まえて解説する。またアセスにおける調査・予測・評価の方法論などの技術的側面や諸外国の状況についても学ぶ。アセスは、行政の意思決定を支援する手段でもあり、この点で市民参加や社会的な合意形成の問題についても関連してくる。そのため、参加やコミュニケーションについて触れるとともに、従来より上位の意思決定に関連する戦略アセスについても論ずる。
(1)環境アセスメントとは何かを説明できること。
(2)アセスの要件と国内外のアセス制度の概要について理解すること。
(3)調査・予測・評価の具体的手法とその問題点について説明できること。
環境アセスメント、市民参加
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
座学が中心となるが、部分的に学生同士のディスカッションや小レポートを書く時間を設ける。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション、アセスの要件と手続き | 環境アセスメントの基本的な考え方を理解する。 |
第2回 | スクリーニング | 国内外の制度を題材にスクリーニングの方法について理解する |
第3回 | スコーピング(方法書) | マトリックス法による演習によるスコーピングを理解する |
第4回 | 戦略的環境アセスメントと市民参加 | 戦略アセスと市民参加の考え方・方法を理解する。 |
第5回 | 調査・予測・評価の方法1:公害関係項目, 自然・生態系、社会関連項目 | 大気汚染, 自然生態系や社会影響を例にした予測評価手法を理解する |
第6回 | 諸外国の制度 | 米国NEPAなどの諸外国のアセス制度とその実際を理解する |
第7回 | 開発援助と環境社会配慮 | 国際協力分野における環境社会配慮の方法を理解する |
第8回 | - | - |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。講義に関連する資料を授業時間ごとに配布する。
Introduction to Environmental Impact Assessment, 4th Edition, John Glasson et al. (英文)
環境アセスメント学入門、環境アセスメント学会編、恒星社厚生閣(和文)
改訂版 環境アセスメント、原科幸彦著、放送大学教育振興会(和文)
授業中の課題70%、最終レポート30%
特になし