近年問題となっているグローバルな気候変動やそれに伴う生態系の変化を理解し,それらの将来予測をするためには,地質学的時間スケール~近年における気候変動の歴史を知り地球環境システムを理解することが不可欠である.また,生態系は環境変化にダイナミックに応答する一方で生態系は環境にも影響を及ぼし,環境ー生態系が相互作用していることも理解しておく必要がある.そこで,本講義では,地質学的時間スケール~近年における気候変動の歴史や,それぞれの時間スケールにおいて気候を支配している主な要因について講述するとともに,このような気候変動を検出・モニタリングする技術や、過去の気候変動を推定する手法についても解説する.
この講義を通して,過去~現在~未来にわたる環境変動の変遷やその変動要因および地球環境システムについて理解するとともに,環境変動下における生態系のダイナミクスや環境ー生態系の相互作用について理解し,生態系の仕組みや現象をモデル化するために必要な視点,さらにはモデルを数値シミュレーションするための基礎的な技術について習得することを目標とする.
この講義を履修することによって,
(1) 過去~現在~未来にわたる環境変動の変遷やその変動要因および地球環境システムの概要を理解し,
(2) 環境変動下における生態系のダイナミクスや環境-生態系の相互作用について理解し,
(3) 生態系の仕組みや現象をモデル化するために必要な視点を身につけ,
(4) モデルを数値シミュレーションするための基礎的な技術が習得できる.
生態系,地球環境システム,物質循環,モデリング,数値シミュレーション
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
前半は通常の講義スタイルで授業を進めるが,後半ではプログラミングの演習をはさみながら授業を行う.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション,現在進行している気候変動 | 現代の気候変動と人間社会と生態系の現状を俯瞰し、全体の講義の流れを理解する. |
第2回 | 環境モニタリングの技術と成果 | 様々な環境をモニタリングするための様々な手法やその成果・課題ついて紹介する. |
第3回 | 過去の気候を推定する様々な方法 | 過去の気候を推定するための様々な手法について理解する. |
第4回 | 過去の気候変動と変動要因 | 地質学的時間スケールにおける気候変動とその主な変動要因について理解する. |
第5回 | 将来の気候変動予測 | IPCCなどで報告されている将来の気候変動予測について理解する. |
第6回 | 海洋化学の基礎と物質循環における素過程 | 生態系を理解するうえでの必須となる物質循環における素過程について理解する. |
第7回 | 物質循環と生態系 | 物質循環プロセスや物質循環における生物の役割について理解する. |
第8回 | 地球環境と生態系相互作用 | 地球環境と生態系との相互作用について理解する. |
第9回 | 数理生態学の基礎 | 生態系モデリングにおいて必須となる数理生態学の基礎方程式について概説する. |
第10回 | 生態系のダイナミクスとモデリング | 生態系モデルの概要と生態系のダイナミクスを記述するためのモデリング手法について理解する. |
第11回 | サンゴ礁生態系のモデリング①:生物代謝と物質循環過程 | サンゴ礁生態系の素過程のモデリング手法の理解と適応事例を紹介する. |
第12回 | サンゴ礁生態系のモデリング②:生物群集のダイナミクス | サンゴ礁生態系の群集レベルの動態のモデリング+と適応事例を紹介する. |
第13回 | 【演習】 プログラミングと数値シミュレーションの基礎 | プログラミングと基本的な数値シミュレーション手法について演習を行いながら理解する. |
第14回 | 【演習】 生態系モデリングと数値シミュレーション①:基礎編 | 簡単な生態系のモデル化を行い、プログラムの実行、可視化を行う. |
第15回 | 【演習】 生態系モデリングと数値シミュレーション②:複雑系 | 複雑系のモデリングを行い、プログラムの実行、可視化を行う. |
なし
講義資料等は必要に応じて講義前にOCW-iを通して配布する.
レポートで成績を評価する.
なし