ランドスケープ・エコロジーとは,複雑な生態系を土地の広がりと景観(ランドスケープ)からプラクティカルに捉える応用科学であり,実社会における生態系保全,緑地創成,自然再生などの理論的根拠となっている。本講義では,生態学の入門段階から,開発など人間活動と生態系保全とのバランスを図るための社会制度まで,最近の国内外の先進的事例紹介を含めて議論する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)複雑な生態系の構成を土地の広がりと景観(ランドスケープ)の観点から説明することができる。
2)ハビタット(生息環境)適正モデルを用いて,生息環境を評価することができる。
3)最近の国内外の先進的事例紹介を含めて,生態系保全のための環境アセスメントを含む社会制度を説明することできる。
生態系,野生動植物,レッドデータブック,生物多様性,持続可能な開発,環境アセスメント制度,ミティゲーション・バンキング,生息環境評価手続き(HEP),ハビタット(生息環境)適正モデル
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
主として講義により進める。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ランドスケープ・エコロジー的な見方 | 本授業の流れと基本的な見方に関する知識を修得する。 |
第2回 | 人間活動が環境に及ぼす正負の影響 | 人間活動が生態環境に及ぼす影響に関する知識を修得する。 |
第3回 | 定量的生態系影響評価手法:HEP | 生息環境の定量的評価手法に関する知識を修得する。 |
第4回 | ハビタット適正モデル | 生息環境の評価のためのモデル化の手法に関する知識を修得する。 |
第5回 | HEPの適用事例 | HEPの事例を収集する。 |
第6回 | 開発による影響とミティゲーション | 開発事業によってもたらされる影響の対策に関する知識を修得する。 |
第7回 | 生物多様性オフセットとバンキング | 生物多様性を保全するためのオフセットやバンキングの手法に関する知識を修得する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。
武内和彦『環境創造の思想』,東京大学出版会(ISBN 978-4-13-063306-2)
田中章『HEP入門』,朝倉書店(ISBN 978-4-254-18036-7)
生息環境評価や生態系保全のための諸制度に関する理解度を評価する。授業中の課題50%,最終レポート50%
特になし。
特になし。