人間の行動は様々な要因で決定されますが、重要な要因の一つが感性、つまり人が何を感じるか、感じたかです。商品デザインなどでは「感性」を重要なマーケティング要素として活用されていますが、それは商品デザインだけに留まるものではありません。環境と人間が調和的な関係を築くためには、人間の感性に協調的なシステムやデザイン、製品が望ましいことは疑いありません。感性をどのように捉え、そして計測するのか、その考え方と手法を基礎から学びます。
【到達目標】 本講義を履修することによって,人が様々に感じる「度合い」を定性的、定量的に測定する手法とその考え方が理解できるにようになることを到達目標とします。さらに,このような考え方が想定している条件とその制限性を理解し,現実の様々なケースに応用できるようになることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,人が感じる度合いを定性的、定量的に計測する手法とその考え方を理解し,現実のケースに応用するための基礎を築くことを目的とします。
感性、嗜好性、定量化、統計的手法
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
テーマごと(定性分析、定量分析、一対比較法)に講義を行い、それぞれのテーマごとに確認テストを行います。また、各講義では実際に統計量を計算することで、手法の理解を深めます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 序論:感性とは何か?その考え方と実践例 | 感性の考え方を説明できるようになる。 |
第2回 | 心理尺度の定性分析①:1元配置の分散分析 | 1元配置の分散分析について説明できるようになる。 |
第3回 | 心理尺度の定性分析②:多重比較 | 分散分析における多重比較が説明できるようになる。 |
第4回 | 理解度確認演習①-定性分析 | 心理尺度の定性分析の理解度を十分なものとする。 |
第5回 | 心理尺度の定量分析①:尺度変換モデルと強度関数 | 心理尺度の変換モデルについて説明できるようになる。 |
第6回 | 心理尺度の定量分析②:最小二乗法と最尤法 | 最小二乗法と最尤法について説明できるようになる。 |
第7回 | 理解度確認演習②-定量分析①(モデル最適化) | 心理尺度の定性分析の理解度を十分なものとする。 |
第8回 | 心理尺度の定量分析③:一対比較法の概要 | 一対比較法について説明できるようになる。 |
第9回 | 心理尺度の定量分析④:被験者自身の一貫性(一意性の検定) | 一対比較法における被験者自身の一貫性(一意性)について説明できるようになる。 |
第10回 | 心理尺度の定量分析⑤:被験者間の一致性(一致性の検定) | 一対比較法における被験者間の一致性(一致性)について説明できるようになる。 |
第11回 | 理解度確認演習③-定量分析②(一対比較法) | 一対比較法の理解度を十分なものとする。 |
第12回 | 心理尺度の定量分析⑥:因子分析 | 因子分析について説明できるようになる。 |
第13回 | 実験計画法 | 実験計画法について説明できるようになる。 |
第14回 | ケーススタディ:ゴミ箱のデザインと心理的尺度 | ゴミ箱のデザインを例に、心理的尺度を測定して分析する。 |
第15回 | 理解度確認演習④-感性計測の実験計画および分析 | 感性計測について説明および分析できるようになる。 |
特になし。
特になし。講義中に適宜、紹介する。ただし、講義では各自で統計量を計算してもらうことが多いため、エクセルか他の表計算ソフトをインストールしたノートパソコンを持参すること。
感性の計測方法の考え方およびその分析方法の理解度を評価する。期末試験(40%),4回の演習(60%)で成績を評価する。
特に無し。ただし、統計の講義を履修していることが望ましい。
講義では各自で統計量を計算してもらうことが多いため、エクセルか他の表計算ソフトをインストールしたノートパソコンを持参すること。