2018年度 放射線災害対応実習   Radiation Disaster Response Exercise

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
片渕 竜也  千葉 敏  相樂 洋  韓 治暎  江幡 修一郎 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (原講ほか , (講義室未定), (To Be Determind))  
クラス
-
科目コード
NCL.O605
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2018年6月12日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本授業では、米国TAMU (テキサスA&M大学) ・TEEX (Texas A&M Engineering Extension Service) と連携して、一般的な災害対応が困難な状況における核セキュリティ事象を起因とする放射線災害を想定し、放射線緊急事態対応チームとして不明な核物質や放射性物質の検知・検認・回収 (IAEA INFCIRC225Rev.5勧告対象) を計画・実行する集中講義・実習を実施する。まず東工大において放射線計測原理学習及び放射線測定のための「放射線計測器と測定」の実習を行う。本学が所有するガンマ線スペクトロメータ、中性子検出器、RI線源及び中性子線源を用いる。米国では、TAMUの核セキュリティ・保障措置関連各種機器や世界最大級規模の災害訓練施設であるTEEX Disaster Cityの施設 (実物のがれき、倒壊した建物、鉄道車両等) を使用し、「ウラン濃縮度検認」、「建物内の放射性物質の位置特定」、「放射線緊急事態対応」の実習を行う。
本授業は、核セキュリティ事象を起因とする放射線災害 (妨害破壊行為、核燃料物質・RI盗取、RDDの使用等) に対する緊急事態の対応能力や危機管理能力を修得することを目的としている。また、災害対応に重要なチームワーク、コミュニケーションなどの能力を修得する。

到達目標

本授業を履修することにより以下の能力を修得する。
1) 核セキュリティ事象を起因とする放射線災害の緊急事態時総合的・体系的な思考・対応能力
2) 放射線計測原理の理解及び放射線災害対応時に使用する放射線計測器の適切な取扱方法
3) 迅速な放射線災害対応に必要な技術能力 (放射性物質の検知・検認・特定等)
4) 放射線災害対応のチームワーク力とコミュニケーション力

キーワード

放射線災害対応、放射線緊急事態対応、核セキュリティ、危機管理、放射線計測

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

東工大の実習では、ガンマ線スペクトロメータ (3台) と中性子検出器 (1台) で実施可能なように学生を適切にグルー分けする。TAMUでは、2グループ分け「ウラン濃縮度検認」と「建物内の放射性物質の位置特定」の実習を行う。TEEX Disaster Cityでは、2人1組でチームごとにミッションを遂行する。各実習を実施する前に関連講義を行い、実習後には発表・議論を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 放射線災害対応の概要 授業の目的、概要を理解
第2回 放射線災害対応のプロトコル (1) 放射線災害対応のプロトコルを理解
第3回 放射線災害対応のプロトコル (2) 放射線災害対応のプロトコルを理解
第4回 実習 1 : 放射線計測器と測定 - ガンマ線スペクトロメータ ガンマ線スペクトロメータの原理と取扱方法を学習、ガンマ線源を測定
第5回 実習 1 : 放射線計測器と測定 - 中性子検出器 中性子検出器の原理と取扱方法を学習、中性子線源を測定
第6回 実習 2 : ウラン濃縮度検認 - 実地の保障措置機器 (講義) 実地の保障措置機器の種類と機能を学習
第7回 実習 2 : ウラン濃縮度検認 - ポータブルHPGe計測器を用いたウラン濃縮度検認 ポータブルHPGe計測器の使用方法を学習、サンプルのウラン濃縮度を検認
第8回 実習 3 : 建物内の放射性物質の位置特定 - 国家核安全保障検知システム (講義) 米国の国家核安全保障のための検知システムについて知識を習得
第9回 実習 3 : 建物内の放射性物質の位置特定 - 放射線検知バックパックシステムを用いた建物内探索 放射線検知バックパックシステムの使用方法を学習、建物内の未知の放射性物質を探索
第10回 実習 3 : 建物内の放射性物質の位置特定 - 対象部屋の外で放射線源の位置特定 対象部屋の外で室内の放射性物質の位置を正確に特定
第11回 実習 4 : 放射線緊急事態対応 - 事故結果管理 (講義) - 緊急事態対応の放射線検知機器 (講義) 事故結果管理の重要性を理解。実習で使う放射線計測器の使用方法を学習
第12回 実習 4 : 放射線緊急事態対応 - ミッション概要 - GPS車両検索システムを用いた高放射線量区域検知 ミッションの理解。車両のGPSモニターリングで探索、バックグラウンドより高い線量区域を検知
第13回 実習 4 : 放射線緊急事態対応 - 対象区域の放射線量マッピング 対象区域の周辺の放射線レベルを測定、放射線量マップを作成。次のより細かな探索経路を計画
第14回 実習 4 : 放射線緊急事態対応 - 対象区域の深層探索 - 放射線源の回収 実習教官の指示に従って対象区域を深層探索、マッピング。放射線源を識別、回収
第15回 実習 4 : 放射線緊急事態対応 - ミッション報告と議論 ミッション結果を整理・報告・議論
第16回 実習結果及び成果の発表・議論 (1) 3つの実習の結果及び成果をまとめて発表・議論
第17回 実習結果及び成果の発表・議論 (2) 3つの実習の結果及び成果をまとめて発表・議論

教科書

特に指定しない

参考書、講義資料等

講義資料:
必要に応じ講義・実習の前及び開始時に資料を配布。

成績評価の基準及び方法

授業中の発言及び参加度 (30%)、実習課題の達成度及びチームワーク (30%)、実習結果の発表・議論 (20%)、レポート (20%)

関連する科目

  • NCL.O401 : 核不拡散・核セキュリティ学概論
  • NCL.O511 : 核不拡散・核セキュリティ学実習
  • NCL.U604 : 核セキュリティ実習

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

受講生の人数制限を行う。

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buchi[at]lane.iir.titech.ac.jp
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sagara[at]lane.iir.titech.ac.jp
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