イノベーション論Ⅰ、Ⅱの目的は、改変行為により社会的利益を生み出すための条件を受講生が自分で考えることができるようにすることである。従って、ビジネス書やビジネス雑誌で述べられているような単なる事例解説は行わない。自らがイノベーションを実現するために、まず第一に必要なのは自分の状況を踏まえ課題を発見・分析し、実行可能なイノベーションについて考察できるようになることである。そして次に、既存の理論や事例分析が成り立つ条件を検証し、自らのイノベーション実現のために利用可能かどうかを判断できるようになることが必要がある。
イノベーション論Ⅱでは「オープンイノベーション」「イノベーションのジレンマ」「プラットフォーム」「製品アーキテクチャ」などの基本的な概念とそれらが成立する条件を講義とグループワークを通じて理解する。また、技術と市場の関係を公理を通じて論理的に理解する。
「イノベーションのジレンマ」を含め、市場で観察される現象の多くが技術のフロントエンド(実際に利用できる技術が実現できる限界)と効用関数の関係として理解できることを理解する。
製品アーキテクチャの基本概念を理解する。
技術のフロンティア、効用関数
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
グループワーク発表の日は発表の後に全体で議論を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 講義;市場と技術1 製品の概念構造、効用関数、消費技術、を踏まえ、市場と技術の関係について解説する。 | GWコンテナ物語の課題提示 |
第2回 | グループワーク: オープンイノベーション | イノベーションのジレンマに対する課題提示 |
第3回 | グループワーク: コンテナ物語 | とくになし |
第4回 | グループワーク:イノベーションのジレンマ | MacCormack&Iansiti論文対する課題提示 |
第5回 | 講義:市場と技術2 技術の最前線と効用関数の関係に基づいて種々の現象を解説する。 | とくになし |
第6回 | グループ・ワーク:Alan MacCormack and Marco Iansiti, "Intellectual Property, Architecture, and the Management of Technological | レポート課題提示 |
第7回 | 期末レポート課題ビデオケースの視聴 | とくになし |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
とくになし
「OPEN INNOVATION」ヘンリー・チェスブロー著
「イノベーションのジレンマ」クレイトン・クリステンセン著
「コンテナ物語」マルク・レビンソン著
Alan MacCormack and Marco Iansiti, "Intellectual Property, Architecture, and the Management of Technological Transitions: Evidence from Microsoft Corporation", J PROD INNOV MANAG 2009;26:248–263
レポート80% 講義貢献20%
この科目は「履修前提条件付き授業科目」で,「履修前提科目」は「イノベーション論 I」である。「イノベーション論 I」の単位を修得しなければ,この科目の単位は修了に必要な単位として取り扱わない。