2022年度 高分子化学概論   Introduction to Polymer Chemistry

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開講元
応用化学コース
担当教員名
冨田 育義  山元 公寿  久保 祥一 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8  木1-2  
クラス
-
科目コード
CAP.I427
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年6月13日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

高分子科学の領域を学ぶためには,高分子を合成する方法を知ることは不可欠です。本講義では,高分子の合成方法の全体像を把握し,逐次重合(重縮合,重付加,付加縮合),連鎖重合(ラジカル重合,イオン重合,配位重合),および高分子反応の各々について学修することを目的としています。なお,本講義では,高分子合成に関する基礎的な内容を解説するだけでなく,個々の合成法に関連する最先端の研究トピックスや材料科学的な応用などについても触れる機会を提供します。

到達目標

高分子の生成反応の分類とそれぞれの特徴を理解し,合成法と得られる高分子の材料としての特徴とを結びつけて考えることができるようになることを到達目標とします。具体的には,以下の項目をそれぞれ理解することを目標としています。
1.逐次重合に分類される重縮合,重付加,付加縮合の各々の特徴を知り,エンジニアリングプラスチックなどの材料科学的な応用について,またデンドリマーなどの特殊構造高分子について理解を深める。
2.連鎖重合として,付加反応に基づくラジカル重合,イオン重合,配位重合について理解を深める。また,これらの重合における分子量,立体構造,配列,末端構造などの精密制御の方法や各々の特徴を理解する。さらに,開環反応や縮合反応を素反応とする連鎖重合の事例についても理解を深める。
3.高分子を反応に用いる高分子反応の特徴や応用についての理解を深める。

キーワード

逐次重合,重縮合,重付加,付加縮合,エンジニアリングプラスチックス,連鎖重合,付加重合,開環重合,ラジカル重合,カチオン重合,アニオン重合,リビング重合,配位重合,高分子反応,反応性高分子

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

必要に応じて演習やレポートを課しながら進める

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 高分子合成法の分類 単量体から高分子を合成する2つの手法(逐次重合と連鎖重合)および高分子を反応に用いる高分子反応の特徴について概要をそれぞれ説明する。
第2回 逐次重合 逐次重合の特徴について説明する。逐次重合における分子量や分子量分布の特徴について説明する。
第3回 重縮合 重縮合の具体的な事例を解説し,エンジニアリングプラスチックやπ共役高分子などの機能材料への応用についても説明する。
第4回 重付加 重付加の具体的な事例を解説し,ポリウレタン,接着剤などへの応用について説明する。
第5回 付加縮合 付加縮合の具体的な事例を解説し,フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂について説明する。
第6回 特殊構造高分子 付加反応,縮合反応に基づく多分岐高分子やデンドリマーの合成とそれらの機能材料への応用について説明する。
第7回 連鎖重合 まず,反応様式に基づく分類として付加重合と開環重合について説明し,つぎに反応活性種に基づきラジカル重合,イオン重合,配位重合についてそれぞれの概要を説明する。
第8回 ラジカル重合 ビニルモノマーのラジカル重合の特徴を述べ,開始反応,成長反応,移動反応,停止反応のそれぞれを説明する。
第9回 ラジカル共重合 ラジカル共重合の特徴と,ここから得られるモノマーの反応性などについての知見を説明する。
第10回 リビング重合と制御重合 リビング重合と制御重合の各々の特徴や定義の違いを説明し,これらに基づく高分子設計として,ブロック共重合,グラフト共重合,スターポリマーの合成,表面グラフト化,末端官能基化などの例を紹介する。
第11回 イオン重合 アニオン重合の特徴を述べ,モノマーと開始剤の構造,重合機構などについて説明する。つぎに,カチオン重合の特徴を述べ,重合可能なモノマーの構造,カチオン重合における副反応とその制御法などについて説明する。
第12回 配位重合 配位重合の特徴を述べ,立体規則性の制御などについて解説する。
第13回 開環重合 開環重合の特徴を述べ,開環異性化重合,活性化モノマー機構などの様々な事例を説明する。この他,縮合反応を素反応とした連鎖型のリビング重合の事例についても説明する。
第14回 高分子反応 天然高分子や合成高分子を出発原料に用いる高分子反応の特徴を述べ,材料科学的な応用について説明する。
第15回 期末試験 試験を通して,全体の理解度を深める。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

アナウンスします。

参考書、講義資料等

アナウンスします。

成績評価の基準及び方法

高分子合成に関するテスト(80%)と演習(20%)

関連する科目

  • CAP.I426 : 高分子科学概論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

高分子科学概論を履修済もしくはそれと同等の基礎知識を有していることが望ましい。

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