原子間相互作用の量子力学(化学)および統計熱力学の基本を説明し,金属材料,半導体,絶縁体,高分子,コンクリート,土質,等々…さまざまな物質の性質が具現化する理由を体系的に理解させる.
工業材料の物性の決定に必須となる材料内部の原子/分子間の相互作用に関する基礎知識を得ることにより,材料の物性の選定に対するこれらの知識の適用,いかにそのような物性の材料を扱うかの理解,およびどのようなプロセスがエンジニアリングデザインの要求を満足するかの決定ができるようになる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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クロス教授は、日本企業での研究者としての経験もある |
量子力学、統計(熱)力学、材料物性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
原理(自然法則)に基づく材料物性の発現メカニズムの理解に重点を置く.そのため,講義の初めの演習を行い,前回講義の内容の理解を確認した上で,それに基づく論理を展開する形式で講義を行う.講義中の論理の理解が重要になる.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 量子力学の基礎 | シュレーディンガー方程式の自然科学における位置づけと意味を理解し,量子力学を応用できるようになる |
第2回 | 孤立水素原子 | 孤立水素原子に対するシュレーディンガー方程式の厳密解を理解する.輝線スペクトル等の発現メカニズムを理解できるようになる |
第3回 | 原子における電子配置とスペクトル | 電子配置で物質の状態が決まったり,元素分析が可能になることを理解できるようになる |
第4回 | 原子間結合(量子化学)の基礎 | LCAO近似に基づいて,イオン結合,共有結合,金属結合,等,原子間相互作用を統一的に理解する |
第5回 | 原子間結合状態に基づく物質の包括的な理解 | 原子間結合状態に基づく物質の特徴を包括的に理解できるようになる |
第6回 | 統計(熱)力学の基礎 | 統計力学の前提と基礎知識を整理できるようになる |
第7回 | 物質(分子)の構造と性質(電気的性質)(導体,半導体,絶縁体) | 電気的な性質が発現する理由を理解できるようになる |
第8回 | 物質(分子)の構造と性質(力学的性質)(転位の移動度) | 機械的な性質が発現する理由を理解できるようになる |
第9回 | 材料の原子・結晶学生 | 材料の原子・結晶学生 |
第10回 | 統計(熱)力学の基礎(温度の定義) | 材料内の熱伝達プロセス |
第11回 | バイオマテリアル | バイオマテリアル |
第12回 | 材料・分子の構造と物性 化学的視点 | 材料・分子の構造と物性 化学的視点 |
第13回 | 材料の相変化 | 材料の相変化 |
第14回 | エネルギー貯蔵材料 | エネルギーが物質に蓄積されることを理解する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
Callister, W.D. "Materials Science and Engineering: An Introduction", John Wiley and Sons, Inc.
Smith, W. F., " Foundations of Materials Science and Engineering", 4th edition, McGraw-Hill. (2006)
Atkins, P., Paula, J. D., "Physical Chemistry", 9th edition, W. H. Freeman and Company. (2010)
不定期に行う演習および期末試験により講義の理解度を評価し成績とする
(コロナの影響に応じて変更になる可能性がある)
常微分および偏微分方程式の基礎知識