2023年度 電子計測   Electronic Measurement

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開講元
電気電子系
担当教員名
沖野 晃俊  白根 篤史 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(S2-204(S221))  木7-8(S2-204(S221))  
クラス
-
科目コード
EEE.C301
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2023年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

電子計測では,電圧,電流,電力,抵抗,インピーダンス,周波数,位相,磁界等の電気量の計測を行う手法を学ぶ。
電子計測は,将来電気系の技術者を目指す学生は身につけておかなければならない重要な電気系の基礎科目である。エレクトロニクスに関するあらゆる分野で実験が行われるが,実験の際必ず必要になるのが,電子測定,計測技術である。最近はディジタル技術を用いた計測技術が著しく進歩しており,最新の計測機器を使いこなし実験で必要な電子計測の基礎を学ぶ。この講義では,目的とする物理量が正確に測定でき,またコンピュータを利用した測定法に習熟できるような教育を行う。

到達目標

本講義により次のような能力を修得する。
1) 計測における誤差,有効数字,単位系について取り扱うことができるようになる。
2) 計測器から得られるアナログ量、ディジタル量を扱うことができるようになる。
3) 電圧,電流,電力,抵抗,インピーダンス,周波数,位相,磁界等の電気量を計測できるようになる。
4) 電気信号波形の計測ができるようになる。
5) センサを組み込んだ計測システムの開発ができるようになる。

実務経験のある教員等による授業科目等

該当する 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容)
本講義は,微小電流測定装置の開発と市販の実務経験を持つ教育担当教員がその実務経験を活かし,微小電流の測定やノイズ低減に関する教育を行う項目を含む。

キーワード

計測,信号,ノイズ,アナログ,ディジタル,電圧,電流,電力,インピーダンス,オシロスコープ,センサ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)
・電気電子分野の応用専門力

授業の進め方

毎回,プロジェクタまたは黒板を用いて講義をします。随時,webにアップロードされているフリーソフトを使ってもらい,また簡単な計算問題を指示します。各回の学習目標をよく読み,毎回,十分復習を行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 計測の基礎(計測の意義,計測器の性能を示す指標,誤差,有効数字,デジベル表示,単位と標準) 計測の意義,計測器の性能を示す指標,誤差,有効数字,デジベル表示,単位と標準など,計測の基礎の説明
第2回 雑音(雑音の種類,SN比と検出限界,雑音指数,雑音の除去) 雑音の種類,SN比と検出限界,雑音指数,雑音の除去など,雑音の説明
第3回 アナログ量の扱い方(演算増幅器,内部抵抗,フィルタ) 演算増幅器,内部抵抗,フィルタなど,アナログ量の扱い方の説明
第4回 ディジタル量の扱い方(2進法・16進法と10進法,データの符号化,データ変換,伝送方式) 2進法・16進法と10進法,データの符号化,データ変換,伝送方式など,ディジタル量の扱い方について学ぶ
第5回 電圧と電流の測定(直流の測定,交流波形の実効値,交流の測定,ディジタルマルチメータ) 直流の測定,交流波形の実効値,交流の測定,ディジタルマルチメータなど,電圧と電流の測定について学ぶ
第6回 電力の測定(直流・交流の電力測定,力率,各種電力計,3相交流電力測定) 直流・交流の電力測定,力率,各種電力計,3相交流電力測定など,電力の測定について学ぶ
第7回 抵抗・インピーダンスの測定(電圧計と電流計による抵抗測定,直流および交流ブリッジ)および理解度の確認 電圧計と電流計による抵抗測定,直流および交流ブリッジなど,抵抗やインピーダンスの測定について学ぶ。また,理解度の確認またはレポートを実施する
第8回 高周波測定(高周波インピーダンスの測定,ネットワークアナライザ,スペクトラムアナライザ) 分布定数回路の微分方程式導出,定在波比の説明
第9回 信号源(ファンクションジェネレータ,周波数シンセサイザ) アナログファンクションジェネレータによる三角波発生原理の説明,PLL,DDSによる周波数シンセサイザ構成法の説明
第10回 周波数と位相の測定(周波数カウンタ,周波数・位相の測定) 周波数カウンタの周波数分解能と時間分解能の関係の説明,リサージュ図形の式の導出
第11回 磁気測定(磁界の測定,磁束の測定,磁化率の測定,磁性材料の磁気特性の測定など) ホール効果,磁気抵抗効果,B-H曲線の説明
第12回 波形測定(アナログ及びディジタルオシロスコープ,ロジックアナライザ) アナログオシロスコープ,ディジタルオシロスコープの原理の説明,プローブの説明、プリトリガ,ポストトリガ,等価サンプリング等ディジタルオシロスコープ特有の機能を説明し,単発現象を捉えるトリガのかけ方を述べる
第13回 センサを用いた計測(温度センサ,光センサ,A/D変換器等の使い方) 基本的な物理量を計測するセンサの原理とコンピュータでデータを取り込む方法の説明
第14回 コンピュータ計測と組み込みシステム(I/O,マイコン,FPGA,計測用ソフトウエア) マイコンやFPGAによるI/Oの制御方法の説明

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

中本高道著:新版 電気電子計測入門,実教出版,2012年版 (ISBN:978-4-407-32576-8 C3055)

参考書、講義資料等

大浦宣徳・関根松夫著:電気・電子計測,昭晃堂,1994年版 (ISBN4-7856-1165-0)
森泉豊栄・中本高道著:センサ工学,昭晃堂,1997年版 (ISBN4-7856-0107-8)

成績評価の基準及び方法

前半部:毎回の小テストもしくはレポート,理解度の確認(中間テスト)
後半部:毎回の小テストもしくはレポート,理解度の確認(期末テスト)
評価割合は50:50

関連する科目

  • EEE.E211 : 波動工学
  • EEE.C311 : 応用電子回路

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

電気回路第一 (EEE.C201),電気回路第二(EEE. C202),電気磁気学第一 (EEE.E201)を履修しているか,同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

沖野晃俊, okino.a.aa[at]m.titech.ac.jp, Ex. 5688
白根篤史, shirane[at]ee.e.titech.ac.jp, Ex. 2888

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