膨大なデータが蓄積されつつある現代において、その中から必要な情報を取り出し活用するデータサイエンスに対する社会的ニーズが高まっている。本講義では、データから有用な情報を発見するための探索的データ可視化と、得られた知見を様々な受け手に対して有効に伝達するための説明的データ可視化の理論と方法を学ぶ。講義では主にPythonを使用するが、特定のツールに限定されない知識と技能を得ることを目標とする。
本講義の履修により、次の技能を修得する。
1) データ可視化の基本理論と方法を理解する。
2) データ取得からデータ可視化までの一連のプロセスを独立して実行できるようになる。
3) 伝達の目的や情報の受け手の属性等を考慮したデータ可視化作品を作成できるようになる。
データ分析、データ可視化、視覚コミュニケーション
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
主として講義形式と演習形式で進める。グループ(または個人)によるデータ可視化作品作成と発表の回を設ける。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | (講義・演習)イントロダクション | データ可視化の目的、歴史、現状を理解した上で、Pythonを用いて基本的なデータ可視化を行う。 |
第2回 | (講義・演習)データ可視化のプロセス | データ可視化のプロセス(問い設定、データ取得、仮説設定、探索的可視化、データ分析、説明的可視化)を理解し、データ取得と仮説設定を行う。 |
第3回 | (講義・演習)視覚記号と視覚変数 | データ可視化の基本理論とデータの種類に対応した可視化手法を理解し、説明的可視化を行う。 |
第4回 | (講義・演習)量的データの可視化 | 量的データに対応した可視化手法をいくつかの事例と共に詳細に学び、可視化を行う(事例データ:世界人口の時系列データ、国連総会の投票データなど)。 |
第5回 | (講義・演習)質的データの可視化 | 質的データに対応した可視化手法をいくつかの事例と共に詳細に学び、可視化を行う(事例データ:憲法前文のデータ、国際貿易ネットワークのデータなど)。 |
第6回 | (演習)グループワークと質疑応答 | グループ(または個人)の関心のある話題に関してデータ可視化の一連のプロセスを実行し、次週の発表へ向けて作品を作成する。 |
第7回 | (演習)発表とディスカッション | グループ(または個人)のデータ可視化作品の発表を行い、そのコミュニケーション効果についてディスカッションを行う。 |
学修効果を上げるため、教科書や配布資料等の該当箇所を参照し、「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし
1. 今井耕介『社会科学のためのデータ分析入門 上・下』岩波書店, 2018.
2. Kirk, Andy. Data Visualisation. SAGE Publications, 2019.
3. Wilke, Claus O. Fundamentals of Data Visualization. O’Reilly Media, 2019.
最終発表60%、授業中の演習40%
プログラミングやデータ分析の事前知識は想定しない。
コンピュータ演習室での参加が難しい場合、履修学生各自が使用するパソコンを確保することを想定している。確保が困難な学生は、事前に担当教員に相談すること。