膨大なデータが蓄積されつつある現代において、その中から必要な情報を取り出し活用するデータサイエンスに対する社会的ニーズが高まっている。この分野においては、データの特徴や限界を理解するとともに、その具体的な可視化や分析のための技能の習得が不可欠である。そこで本講義の前半では、実験や観測で得られる測定データに必ずつきまとう「不確かさ」を表現し、理解する技能を学ぶ。後半では、現実の複雑なシステムを構成する要素同士の関係性を表すデータをネットワークとして可視化し、分析する技能を学ぶ。
本授業の履修によって、次の技能を修得する。
1) Pythonを用いたデータ処理ができるようになる。
2) データの「不確かさ」を定量的に評価できるようになる(事例データ:食品の残留農薬量に対する安全評価、原子炉廃止措置における放射性廃棄物量の評価など)。
3) ネットワークの可視化および基本的なネットワーク分析ができるようになる(事例データ:交通ネットワーク、ソーシャルネットワークなど)。
データ分析、誤差、不確かさ解析、ネットワーク分析、可視化
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
主として講義形式と演習形式で進める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | (講義・演習)実験や観測で得られる測定データにおける「不確かさ」 | 「不確かさ」が注目されている背景を理解し、誤差と「不確かさ」の違いを知る。 |
第2回 | (講義・演習)Pythonによるガウス過程回帰法プログラミング | ガウス過程回帰法で得られた95%信頼区間と最小二乗誤差を比較し、その関係性について論じる。 |
第3回 | (グループワーク)「不確かさ」に関連したグループワーク | 身近にあるデータの不確かさを構成する要素を議論し、解析手法について考える。 |
第4回 | (講義)ネットワーク科学の導入、ネットワークの表現方法、ネットワーク特徴量(1) | 現実の複雑なシステムをネットワークとして分析することの有用性を理解し、ネットワークを特徴づける基本的な概念を理解する。 |
第5回 | (講義)ネットワーク特徴量(2)、ネットワーク科学の応用 | 第4回に引き続き、ネットワークを特徴づける基本的な概念を理解するとともに、ネットワーク科 学がどのように応用されているかについても理解する。 |
第6回 | (演習)Python を用いた実データの処理とネットワーク分析(1) | Pythonで実データを処理し、ネットワークを構築・可視化・分析するための手法を理解する。 |
第7回 | (演習)Python を用いた実データの処理とネットワーク分析(2) | 各自、自由に選択した実データに対して、第6回までに学んだネットワークの構築・可視化・分析手法を適用し、その結果について考察する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
講義中に紹介予定
講義中に紹介予定
レポート 80%、授業中に行う演習 20%
特になし
この講義では個人のノートバソコンを使用します。講義の際には忘れずに持参してください。