主に電磁気学を基本法則として発展した電気工学・磁気工学は,量子論・情報理論など様々な法則・原理と融合し,電気電子工学の基礎を形作り,電力,情報通信,コンピュータ,計測など幅広い分野に応用されている.本講義では,そのエッセンスとなる電気回路・電子回路,磁気回路およびその応用分野である電力工学に関して,もっとも基本的な概念を精選して提供する.
本講義は,幅広く工学の基礎を身につけることを目指す融合理工学系の学生を対象に,電気電子工学の基本的な概念に絞って講義することで,同学問分野の様々な基本概念および応用のエッセンスを学び取り,必要に応じて個別科目を深く学ぶための準備とすることをねらっている.
本講義を履修することによって,電気工学・磁気工学に関する基礎的な知識・概念について自ら説明できる能力を身に付けること,それによって電気電子工学の個別分野に関する更に深い学修を自らが能動的に行うことができるようになることを目標とする.
回路理論,トランジスタ,電子回路,電力システム
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
本科目は電気電子工学の様々な分野を専門とする複数教員で担当する.講義を中心とし,講義時間中の演習や宿題を課して理解を深めさせる.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス,物理から電気回路 | 物理と電気回路の関係が説明できる。 |
第2回 | 主な回路要素 | 主な回路要素が説明できる。 |
第3回 | 回路法則と定理,回路解析と電力移動 | 回路法則と定理,回路解析と電力移動が説明できる |
第4回 | オペレーショナルアンプと増幅モデル | オペレーショナルアンプと増幅モデルが説明できる |
第5回 | 動的回路要素 | 動的回路要素が説明できる。 |
第6回 | 過渡現象 | 過渡現象が説明できる。 |
第7回 | 定常交流回路 | 定常交流回路が説明できる。 |
第8回 | 2次RLC回路 | 2次RLC回路が説明できる。 |
第9回 | 交流電力と電力伝送 | 交流電力と電力伝送について説明できる。 |
第10回 | 変圧器と結合インダクタ | 変圧器と結合インダクタが説明できる。 |
第11回 | ダイオード | ダイオードが説明できる。 |
第12回 | ダイオード回路 | ダイオード回路が説明できる。 |
第13回 | バイポーラトランジスタの3つの動作領域 | バイポーラトランジスタの3つの動作領域が説明できる。 |
第14回 | バイポーラトランジスタの大信号モデルと応用 | バイポーラトランジスタの大信号モデルと応用が説明できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
Sergey N. Makarov, Reinhold Ludwig, Stephen J. Bitar, "Practical Electrical Engineering," Springer International Publishing, Switzerland, 2016.
(2022年12月現在,東工大図書館のeBook に収蔵されていることを確認している。https://topics.libra.titech.ac.jp/en/recordID/catalog.bib/OB00471884)
柳沢健,回路理論基礎(電気学会大学講座),オーム社.ISBN-13: 978-4886862044
高木茂孝,線形回路理論,朝倉書店.ISBN-13: 978-4254221633
藤井信生,アナログ電子回路,昭晃堂.ISBN-13: 978-4274216121
松澤昭,基礎電子回路工学 ~アナログ回路を中心に~,電気学会.ISBN-13: 978-4886862761
日比野倫夫,電気回路B(インターユニバーシティ),オーム社.ISBN-13: 978-4274130823
深尾正,電気機器・パワーエレクトロニクス通論(電気学会大学講座),オーム社.ISBN-13: 978-4886862860
荒木純道,伊東利哉,通信伝送工学 (電子情報工学ニューコース) ,培風館.ISBN-13: 978-4563069926
電気回路・電子回路,磁気回路,電力工学に関する理解度を評価する。期末試験(60%),小テスト/演習/宿題(40%)で成績を評価する。
LAS.P103 電磁気学基礎1,LAS.P104 電磁気学基礎2,TSE.M201 常微分方程式と物理現象,TSE.M203 線形システム論の単位を修得していること.または同様の知識があること.
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