機械システムに用いられる要素の設計・選定時に考慮すべき基本的な機械的特性に関する知識を修得する.このために,次の点を中心に講義し,機械設計における機械材料の選定,機械要素の選定および強度に基づく設計に関する基本的考え方と具体的手法を身に付けさせる.
1. 機械システムにおける基本的な機械要素(軸・ねじ・軸受・歯車など)個々の機能・種類・特徴・利用方法および設計時に留意すべき点
2. 個々の機械要素を対象とした単純モデルの作成および力学計算
3. 設計仕様を満足するための機械要素の選定手法,機械的強度に基づく設計手法
4. 機械要素の三次元CADを用いた表現方法
本講義内容の修得により,次の基礎能力を獲得することを到達目標とする.
(1)機械材料の機械的性質に基づく選定能力
(2)基本的な機械要素の選定および強度設計に関する基本的な考え方とその実践能力
(3)基本的な機械要素の図的表現能力
この科目は,学修目標の
4.【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
6.機械工学の発展的専門学力
7.専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する.
機械設計,機械要素,機械材料の特性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本授業は4時限を通して実施される.各回の後半2時限では,その日の授業内容に関する演習問題に取り組む.
学生には教科書あるいは補足資料により予習することを要求する.そのうえで,授業では,具体的な事例を取り上げ,図およびモデルを用いた説明を多く取り入れ,学習内容の説明を行う.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 機械設計概説 | 機械設計の一連のプロセス,機械設計における機械要素設計の位置付けおよび設計計算書の書き方を学ぶ |
第2回 | 機械材料の種類と特性,構造部材の設計概要 | 機械システムに用いられる材料の種類と機械的特性および機械設計における留意点を学ぶ.最後に,演習を行い理解を深める. |
第3回 | 軸の設計 | 軸の利用方法と負荷について学び,変動荷重作用における強度設計の基本的方法を学ぶ.最後に,演習を行い理解を深める. |
第4回 | 締結要素の設計 | 締結要素の種類と特徴について学ぶ.締結要素の代表としてねじを取り上げ,その種類と使用法,選定における考え方について詳しく学ぶ.最後に,演習を行い理解を深める. |
第5回 | 三次元CADを用いた機械要素設計の概説,フィーチャー・ベース・モデリングの概要,CAEのイントロダクション,フィーチャー・ベース・モデリングの練習 | フィーチャー・ベース・モデリングの概念を理解し,三次元CADを用いた機械要素設計においてそれを行えること. |
第6回 | 案内要素(軸受など),その選択と三次元CADアセンブリへの組み込みの練習 | 軸受など案内要素の基礎とその三次元CADによる表現を理解する |
第7回 | 伝達要素(歯車など),その選択と三次元CADアセンブリへの組み込みの練習 | 歯車など動力伝達要素の設計の基礎とその三次元CADによる表現を理解する |
JSMEテキストシリーズ 機械要素設計
説明補足資料は,OCW-iにアップロードする.
参考資料を,適宜,OCW-iにアップロードする.
授業前半2時限に対するレポートおよび後半2時限の演習の点数配分を50%ずつとして,評価する.
事前の知識は必須ではないが,「機械要素及び機械製図 (MEC.H201)」と「材料力学 (MEC.C201)」を履修していること,あるいはそれに相当する知識を有することを条件とする.
<CADを用いた演習に関する条件>
3D-CAD(Inventor)を使用する演習回では,各自忘れずに以下のスペックのノートPCを持参すること.
※Inventorのインストール方法は
http://www.pcroom.mech.e.titech.ac.jp/
にある「Inventor学生用インストールマニュアル」のPDFマニュアルを参照.
型式:ノート型必須.(タブレット型不可)
OS:Windows 10 64bit必須.(macOS,linux不可)
CPU:Core i3以上.同等のAMDも可.
GPU:CPU統合のもので十分.
メモリ:8GB以上.
ストレージ:250GB以上.SSD推奨.
その他(注意点等):
・ノートPCを持参し忘れた人は当該演習は受講できませんので,ご注意下さい.
・諸事情により上記のPCをどうしても用意できない場合は,4月末日(4月30日)までに担当教員に連絡をとり,事情を説明・相談をすること.
・macOSに基づくPCでは,Inventorはサポートされていません.
・自分のノートPCへInventorのインストールが失敗する場合,すみやかに本件担当教員(pcroom@mech.e.titech.ac.jp)にメール相談すること.
・HDMI出力ができること.(アダプタによる変換でも可)
・マウスの貸出はできるので,マウスは持参しなくてもよい.ただし,使用後は必ず返却のこと.
2020年度に限り,演習の収容可能人数の関係から,履修者の人数上限を50人とする.上限を超えた申告者がいた場合,抽選を行う.
ただし,教職科目として教員免許状を取ることを目指している学生の履修を優先させるので,これに該当する場合は,抽選前になるべく速やかに本科目担当教員に連絡をとり,その旨を申し出ること.