ものを精度よく測り,その特性を正確に理解することは,ものをうまく利用するために欠かすことができない.本講義では,工学的に重要な様々な物理量の計測原理を理解することを中心に,その基礎となる電気電子回路から応用的な各種分析機器の基本原理,構成,実際の応用例などについて学ぶ.また,ものを測るうえでの考え方や前提条件,理論と現実の差異,精度と誤差,設計と計測の関係などについても理解を深める.
本講義は,融合理工学系の各講義の重要性を理解するための導入的な位置付けとなっている。
精度,誤差,雑音,標準,不確かさなどの概念から,計測に必要な基礎的な電気電子回路,様々な物理量の計測原理と各種分析機器の基本原理,実際の応用例までを理解し,計測結果の真の意味を読み取ることができるようになる.ただし,個々の計測機器の操作方法を習熟することは,本講義の範囲としない.
計測,精度,誤差,電気電子回路,分析
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
6名の教員によるオムニバス形式。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 講義概要および誤差論の基礎(雑音,精度・分解能,標準,不確かさ)(高田) | 誤差について説明せよ |
第2回 | 演算増幅器と応用(高田) | 演算増幅器について説明せよ |
第3回 | カウンタ回路と応用(高田) | カウンタ回路について説明せよ |
第4回 | 電流,電圧,高周波の計測(飯尾) | 電流,電圧,高周波の計測原理について説明せよ |
第5回 | 電場,磁場,光と電磁波の計測(飯尾) | 電場,磁場,光と電磁波の計測原理について説明せよ |
第6回 | 位置,変位,距離,速度,加速度の計測(高橋) | 位置,変位,距離,速度,加速度の計測原理について説明せよ |
第7回 | 質量,力,圧力,流体の計測(秋田) | 質量,力,圧力,流体の計測原理について説明せよ |
第8回 | 演習 | 第1回から第7回の内容の演習 |
第9回 | エネルギーと温度の計測(林崎) | エネルギーと温度の計測原理について説明せよ |
第10回 | 放射線の計測(林崎) | 放射線の計測原理について説明せよ |
第11回 | 形の計測 (光学顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,表面粗さ計,走査型電子顕微鏡,透過型電子顕微鏡)(高山) | 光学顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,表面粗さ計,走査型電子顕微鏡,透過型電子顕微鏡について説明せよ |
第12回 | 元素分析の原理と例 (1)(EPMA,EDS(X),XPS(ESCA),AES,etc.)(高山) | EPMA,EDS(X),XPS(ESCA),AESについて説明せよ |
第13回 | 元素分析の原理と例 (2)(x線回折,EBSP,RBS,etc.)(高山) | x線回折,EBSP,RBSについて説明せよ |
第14回 | 化学分析の原理と例 (1)(FTIR, ICP, ラマン分光,etc.)(高山) | FTIR, ICP, ラマン分光について説明せよ |
第15回 | 化学分析の原理と例 (2)(クロマトグラフィ,etc.)(高山) | クロマトグラフィについて説明せよ |
各担当教員が指定するもの
各担当教員が必要に応じて講義資料を配布する
到達目標の達成度を演習と試験で評価する。演習50%,試験50%。
履修の条件はない。