2017年度 流体工学基礎   Fluid Engineering

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開講元
融合理工学系
担当教員名
高橋 実  灘岡 和夫  吉川 邦夫  木内 豪  髙木 泰士  秋田 大輔  中村 恭志  因幡 和晃  近藤 正聡  ANDREWS EDEN MARIQUIT 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(S513)  木3-4(S513)  
クラス
-
科目コード
TSE.A205
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2017年10月9日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

水や空気,油といった流体の運動を表現するためには,これまで学んできた固体を中心とする物理学をさらに発展させる必要がある。本講義は,水などの非圧縮流体に関する運動方程式や各種理論式の導出の方法,管路や開水路,熱流動問題など,様々な工学分野で応用される流体力学の実際的問題を講義及び演習問題を通じて,理解することを目的とする。流体力学の重要なエッセンスを1つの講義で提供するため,講義はおおまかに3部で構成されている。第1部(1~6回)では完全流体に対する理論式の導出や定式化,第2部(7~11回)では粘性流体に対する理論式や実験式の導出や定式化,第3部(12~15回)では実際的な問題への応用を扱っている。

到達目標

 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)流体の運動や力,エネルギーに関する各種基礎理論
(2)圧縮・非圧縮や粘性・非粘性など流体の性質やその表現手法
(3)層流や乱流など流体のふるまいやその表現手法
(4)管路や開水路などにおける流体運動の表現手法

キーワード

完全流体,粘性流体,層流,乱流,連続式,Eulerの運動方程式,Navier-Stokes方程式,Bernoulli の定理,管路の流れ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業計画に沿った内容の講義を行う。講義の最後に,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 流体力学の工学的応用,流体の諸性質 流体力学の工学的応用,流体の諸性質(圧縮性,粘性),静水圧の理解
第2回 Eulerの運動方程式,連続式 完全流体における流れの表現手法や方程式の定式化の理解
第3回 ポテンシャル流れ ポテンシャル流れの概念・定式化,流れの等角写像の理解
第4回 Bernoulli の定理 Bernoulli の定理の導出,ピトー管,ベンチュリー管,サイフォンへの応用
第5回 ポテンシャル流れとBernoulli の定理の応用 完全流体での応用事例として,水の波の理論式を導出
第6回 理解度確認演習  -第1回から第5回までの内容の演習形式による確認 第1回から第5回までの理解度確認と到達度自己評価
第7回 質量,エネルギーの保存則の復習と,運動量の保存則 流体における保存則の理解
第8回 粘性の概念と,Reynolds数,Navier-Stokes方程式 粘性の概念と粘性流体における流れの表現手法や方程式の定式化の理解
第9回 境界層と,層流,乱流の概念 境界層の特性と層流,乱流の概念の理解
第10回 流体が物体に及ぼす力 物体まわりの流れ場と流体が物体に及ぼす力の関係についての理解
第11回 理解度確認演習  -第7回から第10回までの内容の演習形式による確認 第7回から第10回までの理解度確認と到達度自己評価
第12回 円管内および平板壁の間等の層流・乱流と摩擦損失 円管内および平行壁の間を流れる流体の流れの状態を理論的に求める
第13回 一様でない流れのエネルギー損失 管路の断面の大きさおよび形状が変化する場合等のエネルギー損失を求める。
第14回 流体力学の熱流動計算への応用 流体工学の熱流動現象への利用、気液二層流、熱伝達評価への応用
第15回 理解度確認演習  -第12回から第14回までの内容の演習形式による確認 第12回から第14回までの理解度確認と到達度自己評価

教科書

教科書の指定はない。毎回講義ノートを配布する。

参考書、講義資料等

以下の図書を参考書として推奨する。但し,これら以外にも流体力学に関する良書は非常に数多い。
森川敬信ら 『新版流れ学』 朝倉書店, ISBN: 978-4-254-23077-2
日野幹雄『明解水理学』丸善,ISBN: 4-621-02778-6
秋本 肇ら 『原子力熱流動工学 (原子力教科書)』オーム社, ISBN: 978-4-274-20679-5
R. Byron Bird et al. "Transport Phenomena", Wiley, ISBN: 978-0470115398

成績評価の基準及び方法

流体現象を表現する各方程式やそれらの工学的応用について,その理解度を評価する。
配点は,期末試験(70%),演習(30%)

関連する科目

  • TSE.M201 : 常微分方程式と物理現象
  • TSE.M203 : 線形システム論
  • TSE.A202 : 固体・構造力学基礎

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

常微分方程式と物理現象,線形システム論,固体・構造力学基礎を履修していること,または同等の知識があること。

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