2016年度 偏微分方程式と物理現象   Partial Differential Equations for Science and Engineering

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
融合理工学系
担当教員名
井頭 政之  木内 豪  中村 恭志  筒井 広明  中村 隆志  VARQUEZ ALVIN CHRISTOPHER GALANG 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(S513)  木7-8(S513)  
クラス
-
科目コード
TSE.M202
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
2016年11月10日
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

 本講義では、偏微分方程式に関する基礎的な知識と、その解析解と数値解を求める方法を扱う。理工学分野で取り扱う一連の諸問題を取り上げ、物理現象の偏微分方程式による記述、偏微分方程式の性質、解析解を求める代表的方法、および数値的に解を求める方法について講義と演習を行う。数値的な方法の講義では講義とコンピュータ演習を密接に組み合わせて、実際に数値解析を実施する能力を涵養する。
 偏微分方程式は理工学における物理現象を記述する共通言語となっており、物理現象を偏微分方程式で記述する能力、あるいは偏微分方程式から記述されている物理現象を読み解く能力を身につけることは、理工学を学ぶうえで必須となっている。講義を通じ、方程式を解く能力とともに、これらを身につけてもらいたい。

到達目標

 本講義を履修することにより次の知識と実践力を修得する。
1) 物理現象を偏微分方程式により記述できる。
2) 偏微分方程式から物理的意味を読み取れる。
3) 偏微分方程式の解析解を求める基礎的な方法を修得する。
4) 偏微分方程式の数値解の方法を理解し、実際に行えるようになる。

キーワード

偏微分方程式、物理現象のモデル化、移流方程式、波動方程式、拡散・熱伝導方程式、Poisson方程式、解析解、数値解

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

前半の講義では解析的な事項について学び、後半の講義では数値的な解法について学ぶとともにコンピュータ上での演習を行います。予習・復習をしっかり行ってください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 偏微分方程式の定義と分類 偏微分の定義、変数変換の法則などの基礎的知識を確認し、偏微分方程式の分類について学ぶ
第2回 フーリエ級数・フーリエ変換 フーリエ級数とフーリエ変換を理解する
第3回 移流現象と偏微分方程式ー双曲型偏微分方程式の導出 流れなどによる物質の輸送現象を考察し、現象がどのような偏微分方程式で記述されるのかを理解する
第4回 双曲型偏微分方程式の厳密解ー解析的方法と方程式の物理的意味 双曲型偏微分方程式の解析的解法を理解し、実際の解法を通じて双曲型方程式の持つ物理的意味合いを理解する。
第5回 拡散現象と偏微分方程式ー方物型偏微分方程式の導出 分子運動など確率的な移動過程から拡散方程式が導出されることを学ぶ
第6回 方物型偏微分方程式の厳密解ー解析的方法と方程式の物理的意味 方物型PDEの解析的解法を学び、基本解による解の一般的表現と方程式の持つ物理的意味合いを理解する
第7回 定常的物理現象と偏微分方程式ー楕円型偏微分方程式の導出 楕円型方程式がどのような場合に現れるのかを理解する
第8回 楕円型偏微分方程式の厳密解ー解析的方法と方程式の物理的意味 楕円型PDEの解析的解法を理解する
第9回 理解度確認総合演習ー第1回から第8回までの内容の演習形式による確認 第1回から第8回までの理解度確認と到達度評価
第10回 偏微分方程式の数値解法の原理ー双曲型方程式 特性曲線に基づく双曲型PDEの数値解法の原理と方法を理解する
第11回 偏微分方程式の数値解法の演習ー双曲型方程式 実際にプログラムを開発し双曲型PDEの数値解析方法の実際を学ぶ
第12回 偏微分方程式の数値解法の原理ー方物型方程式 差分法に基づく方物型PDEの数値解法の原理と方法を理解する
第13回 偏微分方程式の数値解法の演習ー方物型方程式 実際にプログラムを開発し方物型PDEの数値解析方法の実際を学ぶ
第14回 偏微分方程式の数値解法の原理ー楕円型方程式 差分法に基づく楕円型PDEの数値解法の原理と方法、また線形連立方程式の反復解法について理解する
第15回 偏微分方程式の数値解法の演習ー楕円型方程式 実際にプログラムを開発し楕円型PDE、および線形連立方程式の数値解析方法の実際を学ぶ

教科書

指定しない

参考書、講義資料等

Erwin Kreiszig, Advanced engineering mathematics, John Wiley & Sons.
登坂宣好、大西和栄、偏微分方程式の数値シミュレーション、東京大学出版会
越塚誠一、数値流体力学、培風館

成績評価の基準及び方法

「偏微分方程式と物理現象の関係」、「偏微分方程式の解析解の求め方と特徴」、「偏微分方程式の数値解析法」についての理解と応用力について評価します。前半の第8回までについては演習と試験で評価を行い、後半についてはレポートにより評価を行います。

関連する科目

  • TSE.M201 : 常微分方程式と物理現象

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

常微分方程式と物理現象を履修していること、また同等の知識があること。

このページのトップへ