2022年度 環境工学のための水質化学   Water Chemistry for Environmental Engineering

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開講元
土木工学コース
担当教員名
藤井 学 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(M112)  金5-6(M112)  
クラス
-
科目コード
CVE.G403
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2022年4月20日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本講義では,自然水(河川,湖沼,海水等)や処理水(上水,下排水)を主な対象とし,水中に存在する種々の物質についての化学反応プロセス(水質化学)を取り扱う。はじめに平衡論や反応速度論等の化学反応と扱うための基礎について学習し,続いてこのような化学反応が実社会・環境においてどのように適用可能なのか?浄水処理での塩素消毒や自然水中での有機汚染物質等を例に紹介する。さらに、グループディスカッション等を通して、人類が直面している課題と水質化学の関係性を整理し、環境・社会問題に水処理や水インフラがどのように貢献するのかを議論する。なお、水質化学については、熱力学、反応速度論、酸・塩基系、炭酸塩系などの基礎を取り上げる。他にも重要な反応(酸化還元反応、錯形成反応など)があるが、本講義ではこのような発展的なテーマについて直接は取り扱わず、学生の希望に応じて、学習支援のための資料等を提供する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)水中における反応プロセスを支配する基礎概念や理論(平衡論,反応速度論,非理想系)が理解できる。
2)自然・処理水中で生じる種々の反応プロセス(酸塩基,消毒反応等)を理解することができる。
3)人類が直面している水に関わる諸問題を解決するのためのアプローチ法を提案する。

キーワード

上下水道処理、水インフラ、持続可能性、平衡論,反応速度論,酸塩基

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回授業の最後に小テストを行います。また,授業中に課題を出しますので,レポートとして提出してください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション(濃度単位などの水質化学の基本事項) 水質化学分野の位置づけと水質化学で使用する単位について理解する。
第2回 水インフラの歴史と水質の関わり 水環境工学(上下水)や水インフラの歴史における水質化学の意義を理解する。
第3回 熱力学に基づく平衡論 エネルギーと平衡反応の関係性について理解する。
第4回 水処理における塩素消毒 水処理における塩素の反応機構や消毒副生成物の反応について理解する。
第5回 理想溶液と非理想溶液の特徴 活量と濃度の関係性がイオン強度にどのような影響を受けるのかを理解する。
第6回 水環境の現状と今後の課題 水環境に関する諸問題と課題を解決するアプローチ法について理解する。
第7回 化学反応速度論の基礎 反応速度論における素反応と複合反応の記述法とその解法を理解する。
第8回 基礎水質化学に関する復習と演習 復習や演習を通して、水質化学に関する基礎について理解を深める
第9回 酸塩基反応と炭酸の化学 (1) pHと酸解離平衡の関係性を理解する。
第10回 酸塩基反応と炭酸の化学 (2) 炭酸平衡とアルカリ度、pHの関係を理解する。
第11回 酸塩基反応と炭酸の化学 (3) 演習等を通して酸塩基平衡や炭酸化学に関する理解を深める
第12回 人類の課題解決のための水の科学と技術(1) 人類が直面している課題と水質化学の関係性を理解する。
第13回 人類の課題解決のための水の科学と技術(2) 人類が直面している課題と水質化学の関係性を理解する。
第14回 人類の課題解決のための水の科学と技術(3) 人類が直面している水に関わる諸問題を解決するのためのアプローチ法を理解する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

Water Chemistry: An Introduction to the Chemistry of Natural and Engineered Aquatic Systems, Oxford Univ Pr, 2011

参考書、講義資料等

小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発 (日本語)、Johan Rockström, Mattias Klum、監修(武内 和彦、石井 菜穂子)、訳(谷 淳也、森 秀行)、丸善出版、2018

成績評価の基準及び方法

本講義における成績は,講義中の小課題や演習(70%)ならびに、試験(30%)により評価する。

関連する科目

  • CVE.G402 : 環境統計学
  • CVE.G401 : 水環境科学
  • GEG.E412 : 水資源保全論
  • GEG.E502 : 水環境解析論
  • GEG.E411 : メガシティーの大気環境学
  • GEG.E511 : グローバル・ローカル変動環境下の社会ー生態系共存システム論
  • GEG.E401 : 地球環境システムと生態系のダイナミクス
  • CVE.B311 : 河川工学
  • CVE.G310 : 水環境工学
  • CVE.G230 : 環境計画プロジェクト演習

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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