[講義の概要] 熱力学,速度論等を基礎とする「化学・熱エネルギー変換の基礎」と量子力学,バンド理論を基礎とする「光エネルギー変換の基礎」を説明する。
[講義のねらい] 本講義では,燃料電池,太陽電池,火力発電などの多様なエネルギー変換に共通する基礎学理を習得し、平衡論および速度論的な観点から、また量子力学、バンド理論の観点からエネルギー変換を考察する力を身につけることを目的とする。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) エネルギー変換の基礎学理として熱力学を理解し、各エネルギー変換の理論的最大効率が説明できる。
2) エネルギー変換の基礎学理として物質移動現象を理解し、ギブズ自由エネルギーを使って拡散現象が説明できる。
3) エネルギー分野の基礎学理として量子力学の基礎を説明できる
4) エネルギー分野の基礎学理として固体のバンド理論の基礎を説明できる
エネルギー変換,熱力学,燃焼,量子力学,光,バンド構造,燃料電池,太陽電池,火力発電
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
初回に講義の全体像を説明する。毎回の講義の前半で,前回の授業を概説しつつ講述する。毎回、出席をとる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | エネルギー変換における基礎学とは? 化学・熱エネルギー変換の基礎学1(志村祐康 准教授、大岡山開講、すずかけ台遠隔授業):エネルギー変換効率の最大値を与えてくれる熱力学、分子運動論的にみた熱力学の全体像 | エネルギー分野を俯瞰し,エネルギー変換における基礎学理の概要について説明できる |
第2回 | 化学・熱エネルギー変換の基礎学2(志村祐康 教授、大岡山開講、すずかけ台遠隔授業):平衡状態と定常状態、熱力学第一法則と内部エネルギーの種類、エネルギー変換におけるエンタルピーの位置づけ | エネルギー分野の基礎学理として、定常状態と平衡状態の違い、熱力学第一法則、内部エネルギー、エンタルピーが説明できる |
第3回 | 化学・熱エネルギー変換の基礎学3(伊原学教授、大岡山開講、すずかけ台遠隔授業):エネルギー変換におけるギブズ自由エネルギーの位置づけ、可逆過程と最大変換効率、化学ポテンシャルと拡散 | エネルギー分野の基礎学理として、エネルギー変換におけるギブズ自由エネルギーの位置づけ、可逆過程と最大変換効率、化学ポテンシャルと拡散が説明できる |
第4回 | 化学・熱エネルギー変換の基礎学4(志村祐康准教授、大岡山開講、すずかけ台遠隔授業):エネルギー変換で考慮すべき物質移動(拡散と流動)と化学反応、定常と非定常:例として燃焼などを考える | エネルギー分野の基礎学理として、物質移動と化学反応、定常/非定常の複合プロセスとして燃焼を説明できる |
第5回 | 光エネルギー変換の基礎学1(和田裕之准教授、すずかけ台開講、大岡山遠隔授業):固体中の電子の振る舞い1、量子力学の基礎(光の粒子性と波動性、演算子) | エネルギー分野の基礎学理として、光の粒子性と波動性、演算子を説明できる |
第6回 | 光エネルギー変換の基礎学2(和田裕之准教授、すずかけ台開講、大岡山遠隔授業):固体中の電子の振る舞い2、量子力学の基礎(シュレーディンガー方程式、井戸型ポテンシャルに閉じ込められた電子、エネルギーの離散性) | エネルギー分野の基礎学理として、シュレーディンガー方程式、井戸型ポテンシャルに閉じ込められた電子、エネルギーの離散性を説明できる |
第7回 | 光エネルギー変換の基礎学3(和田裕之准教授、すずかけ台開講、大岡山遠隔授業):固体中の電子の振る舞い3、電子から見た「原子・分子・固体」、固体のバンド構造とバンドモデル、ドーピング、再結合、電子・正孔の拡散とドリフト | エネルギー分野の基礎学理として、バンド構造とバンドモデル、ドーピング、再結合、電子・正孔の拡散とドリフトを説明できる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし
必要に応じて講義資料は講義中に配布
期末のレポート(70%)および講義中のクイズ(30%)にて評価する。
特になし