地盤は種々の地質学的プロセスを経て形成され、他の工学材料と異なり多種多様の性質を持った材料によって、しかも複雑な層構成からなる。しかも地球上のほぼすべての構造物は地盤上、或は地盤中築造される、現場ごとに異なる地質条件は、土木構造物の計画、設計、施工、維持管理において、必要不可欠な情報である。
本講義では、地盤情報、地盤特性取得のための地盤調査、その結果に基づいた各種地盤構造物の施工技術について、具体的な事例とともとに土質工学、地質工学の両面にわたり解説する。
地盤とのかかわりの深い土木構造物の計画、設計、施工、維持管理において、必要となる地質情報、その取得のための地盤調査法、その結果の解釈に不可欠な地質工学の基礎知識について習得する。更に、地盤調査結果に基づいた各種地盤構造物の施工技術、或は防災、地盤環境技術について理解を深める。
応用地質、地質図、地盤調査、地盤施工、トンネル、防災施設、ダム、地盤環境技術
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
関連分野の知識、技術に関する講義を行い、授業の最後に簡単な小テストを実施する。
地質、施工に関する現場見学を行い、理論と実際の関係についても学ぶ。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 概説、土木事業における地盤調査の役割 | 土木事業における地質情報の重要性の確認 |
第2回 | 地球観(系としての地球) | 地球レベルでの地質学プロセスの理解 |
第3回 | 鉱物・岩石および地質作用 | 鉱物分類、岩石分類、地盤形成にかかわる地質作用の理解 |
第4回 | 地質構造と地質図の利用 | 種々の地質構造の特徴、地質図の判読と工学的利用法の理解 |
第5回 | 地形図の利用と読図 | 地質作用による地形形成、地形図の判読と工学的利用法を理解し、使うことができる |
第6回 | 土質調査と地盤図 | 各種土質調査法、地盤図の判読法を理解し、それを用いた工学的分類が行える |
第7回 | 地盤調査と基礎の施工 | 地質条件に応じた各種基礎工法の理解 |
第8回 | 現代につながる古代の土工技術 | 古い土工技術から土構造物の力学的視点を学び、現在と古代の技術のつながりを考える |
第9回 | 地震防災の調査と対策 | 地震防災のための地盤調査と防災技術の理解 |
第10回 | 地盤環境技術 | 種々の地盤環境問題対策のための調査技術と施工技術の理解 |
第11回 | 地盤掘削の調査と施工 | 掘削技術とトンネル工法、その調査法の理解 |
第12回 | ダム・斜面の調査と施工 | ダム築造技術と必要地盤調査法の理解 斜面安定調査法と補強技術の理解 |
第13回 | 地質観察実習 | 地形図の判読実習と断層視察 |
第14回 | 施工現場見学 | 実際の地盤施工現場の視察と種々の施工技術の確認 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし
講義資料はT2SCHOLAにアップロードする。必要に応じて授業時に印刷物も配布する。
小テスト (50%)、レポート (50%),
地学、地質学に関する知識を有していることが望ましい。
土質力学、土質基礎工学に関する最低限の知識を有していることが望ましい。
インフラ建設、防災について興味を持っていることが望ましい。