2022年度 土木振動学   Structural Dynamics in Civil Engineering

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開講元
土木・環境工学系
担当教員名
盛川 仁 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(M321)  
クラス
-
科目コード
CVE.A210
単位数
1
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年5月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

最初に数学的基礎としてフーリエ変換と振動数領域について理解する。続いて,減衰がない場合の1自由度系の自由振動,強制振動を定式化してその解を求める。減衰がある場合についても同様に求め,1自由度系の周波数応答特性について理解する。さらに,多自由度系について行列を用いた解法を理解し,これらを使って制振構造や免震構造の理論的背景を理解する。最後に,はりの自由振動についてその解法を理解する。

結果として得られる式を公式として利用して計算ができることはもちろん必要であるが,それ以上に,その結果が得られるまでの理論的背景の理解が重要である。したがって,この講義では上記の内容について,どのようにその結果が導かれるか,その過程を正しく理解することを特に重視し,理論的枠組みとともに式の展開についても詳しく取り扱う。

到達目標

地震国日本において重要な耐震設計の基礎となる地震動による構造物の動的応答現象の理解および耐震設計に必要な基礎的知識を修得させることを目的とする。具体的な到達目標は以下の通り。(1)1自由度系の応答が理解できる,(2)多自由度系の応答が理解できる,(3)制振構造・免震構造の仕組みが理解できる,(4)はりの応答が理解できる,(5)耐震設計法の基礎が理解できる。

キーワード

動的応答,1自由度系,多自由度系,はり,耐震設計法

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

主として板書によって講義を進める。必要な図面等は適宜配布する。講義内容を理解するために講義時間中に演習問題を解くか,講義内容に関連した宿題をだす。宿題は翌週の講義の際に提出する。演習や宿題の内容はその際に解説を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 フーリエ変換,1自由度系の応答(非減衰振動) フーリエ変換の定義,計算法,非減衰1自由度系の運動方程式の誘導とその解法
第2回 1自由度系の応答(減衰振動) 減衰1自由度系の運動方程式の誘導とその解法
第3回 応答スペクトル・多自由度系の応答(定式化) 応答スペクトルの定義,トリパタイトの読み方,多自由度系の運動方程式の誘導
第4回 多自由度系の応答(解法) 多自由度系の運動方程式の解法,モードの概念の理解
第5回 はりの振動 はりの自由振動の運動方程式の誘導とその解法,減衰の導入とその性質
第6回 構造物の地震応答・免震 構造物の地震応答特性,免震構造の理論
第7回 構造物の制振と耐震化,耐震設計法 制振構造の理論,耐震改修の例,耐震設計法の基本的考え方の理解
第8回 期末試験 理解度の確認

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

担当教員のオリジナル資料を使用する。

参考書、講義資料等

必要に応じて資料を配布。また講義内容は以下の書籍の一部を含む。
盛川仁・山中浩明 著「地盤と地盤震動 ---観測から数値解析まで---」,朝倉書店,2019.

また,関連する参考書として以下の書籍を推薦する。
原田 隆典・本橋 英樹 著「入門 数理地震工学 〜生産・社会インフラ施設の地震・津波対策の知識と数学的方法〜 」,技報堂出版,2020.

成績評価の基準及び方法

期末試験70%を基本とし、残り30%は講義の際に出される課題等の評価を含めて総合的に評価する。ただし最初の講義の際に点数の配分は受講生と相談して合意のうえ決定する。なお、試験にはA3裏表一枚分のノート(手書き)および電卓の持ち込みを可とする。

関連する科目

  • CVE.N330 : 構造力学・水理学実験第二
  • CVE.M201 : 物理数学基礎・演習
  • CVE.A202 : 構造力学第一
  • CVE.A301 : 構造力学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

物理数学基礎・演習を履修し,フーリエ変換,微分方程式に関してじゅうぶんな理解をしていること。

その他

講義の内容および講義の順序は受講生の理解度にあわせて大幅に変更する場合がある。特に,第6回までの講義内容の充実をはかる目的で最終回の耐震設計に関する講義を廃することがある。期末試験は対面で実施する。ただし,新型コロナウィルスの感染状況等によっては急遽変更する場合がある。

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