このコースは2つに分かれて行われる。
第一の方では,フーリエ変換と偏微分方程式について取り扱う。いずれも時空間における動的問題を取り扱うために重要な内容であり,この講義内容を理解することによって土木工学分野における動的問題に対する基礎的な準備とするものである。具体的内容は,フーリエ級数,フーリエ積分,偏微分方程式の定式化,偏微分方程式の一般解の例,変数分離法である。
第二の方はベクトル解析を中心として講義を行う。項目はベクトル関数の微分、曲線の助変数表示、曲線接線と曲線の長さ、スカラー場の勾配、方向導関数、ベクトル場の発散と一直線、線積分、平面のグリーンの定理、面積分、ガウスの発散定理とストークスの定理。
ベクトル解析は重要で工学では不可欠である。ベクトル微分学とベクトル積分学の基礎を通して学生は工学的な問題を解決することができる。
1) フーリエ変換の理論を正しく説明できる。
2) 振動数領域と時間領域の関係について式を用いて説明できる。
3) 偏微分方程式の基本的な問題を解くことができる。
4) スカラー場とベクトル場の概念を正しく説明できる。
5) 線積分と面積分の計算を行うことができる。
6) 平面のグリーンの定理、面積分、ガウスの発散定理とストークスの定理を証明することができ,それを用いることができる。
フーリエ級数,フーリエ積分,振動数領域,偏微分方程式,弦,変数分離法 (盛川)
ベクトル関数、ベクトル場、曲線、スカラー場の勾配、方向導関数、ベクトル場の発散と一直線、線積分、平面のグリーンの定理、発散定理とストークスの定理。 (Anil C. W.)
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各授業は基礎を中心とするが,その応用も含む。課題をこなすことで、授業内容の理解を深める。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | フーリエ積分とその性質(盛川) | フーリエ積分の定義,フーリエ積分の数学的性質 |
第2回 | フーリエ級数(盛川) | フーリエ級数の定義,フーリエ積分との関係 |
第3回 | フーリエ級数の性質(盛川) | フーリエ級数に関する数学的性質,フーリエ級数の応用例 |
第4回 | 偏微分方程式の定式化(盛川) | 偏微分方程式の例,物理的問題の表現 |
第5回 | 波動方程式/拡散方程式とその解法(盛川) | 波動方程式の定式化とその解法 |
第6回 | 変数分離法/梁の非減衰自由振動(盛川) | 変数分離法を用いた偏微分方程式の解法/梁の非減衰自由振動の運動方程式とその解放 |
第7回 | フーリエ変換と偏微分方程式に関する部分の理解度確認試験(盛川) | フーリエ変換と偏微分方程式に関する理解度の確認 |
第8回 | ベベクトル微分学(1)。クトル代数の復習。ベクトル関数とスカラー関数。導入。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目9.1-9.4を復習する。 |
第9回 | ベクトル微分学(2)。曲線とアークの長さ。 (Anil C. W.) | 授業ノートの項目9.5を復習する。 |
第10回 | ベクトル微分学(3)。スカラー場の勾配。 方向微分。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目9.7を復習する。 |
第11回 | ベクトル微分学(4)。ベクトル場の発散と回転。 | 授業ノートの項目9.8-9.9を復習する。 |
第12回 | ベクトル積分学(1)。線積分。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目10.1-10.2を復習する。 |
第13回 | ベクトル積分学(2)。平面のグリーンの定理。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目10.4を復習する。 |
第14回 | 面積分。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目10.5-10.6を復習する。 |
第15回 | ベクトル積分学(4)。ガウスの発散定理とストークスの定理。(Anil C. W.) | 授業ノートの項目10.7-10.9を復習する。 |
第16回 | ベクトル解析に関する部分の理解度確認試験 (Anil) | ベクトル解析に関する理解度の確認 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
Kreyszig, E., 2011, Advanced Engineering Mathematics, 10th edition, John Wiley, New York.
盛川仁・山中浩明:地盤と地盤振動 ---観測から数値解析まで---,朝倉書店,2019. (盛川)
Hildebrand, F. B., 1976, Advanced Calculus for Applications, 2nd edition, Prentice-Hall, New Jersey. (Anil C. W.)
各項目の理解度を試験と課題を通して評価する。評価基準は以下の通り:
総合演習35%,課題15% (盛川)
最終試験30%,課題20% (Anil C. W.)
基礎ベクトル代数。 (Anil C. W.)
講義は原則としてAnilが月曜日に8~15の内容を,盛川が木曜日に1~7の内容を扱う。講義・演習の進み方によってはスケジュールの変更および補講を行うことがある。
R4年度については,新型コロナウィルスによる感染状況によっては演習を授業時間内に行うことが難しいため,毎週の課題とその解答を行うことで補完する。また,状況により,理解度確認試験をオンラインで行う場合がある。そのため,手書きの解答をカメラ等で撮影してT2SCHOLAにアップロードできる環境を準備しておくこと(盛川)。