このコースの内容は大きく3つに分かれる。まず,静定構造物の重ね合わせ,および,エネルギー原理による不静定構造物の解析を説明する.次に,単純塑性解析と呼ばれる簡易手法による極限解析の理論と応用について説明する.崩壊に至る詳細な過程は省略し,上界定理と下界定理を用いて崩壊時における構造物の塑性限界荷重を求める.最後に,トラスの要素剛性関数と直接剛性法を中心として授業を行う.マトリックス構造解析の基礎を通して学生はトラスの問題を解決することができる.
構造力学第一(CVE.A202)に引き続く本講義では,まず不静定構造物の解析を扱う.不静定構造物の部材力は,力のつりあいに加えて変形の適合条件を考慮しなければならないことを説明する.次に,単純塑性解析と呼ばれる極限解析では,崩壊に至る詳細な過程は省略し,上界定理と下界定理を用いて崩壊時における構造物の塑性限界荷重が容易に求められることを示す.最後に,トラスの問題を例に直接剛性法を説明するが,これは後の「マトリックス構造解析」の基礎をなすものである.
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1. 様々な構造部材(梁,トラス,骨組及びアーチ)からなる不静定構造物の部材力及び変位を求めること.(S.Hirose)
2. 構造物の崩壊時における限界荷重を求めること.(S.Hirose)
3. 全体剛性方程式を用いてトラスの問題を解く. (Anil C. W.)
4. 直接剛性法を用いてトラスの問題を解く. (Anil C. W.)
不静定構造物,力のつりあい,適合条件,エネルギー原理,極限解析,上下界定理,塑性限界荷重 (S. Hirose)
直接剛性法、全体剛性方程式、トラス、剛性方程式 (Anil C. W.)
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各授業は基礎を中心にしてそのほかには応用内容を行われる.課題をこなすことで,授業内容の理解,実用化,問題を深める.課題の解答は,授業中に行われる.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 重ね合わせによる不静定構造物の解析(S. Hirose) | 重ね合わせによる不静定構造物の解析方法を説明でき,関連する問題を解くことができる. |
第2回 | 不静定構造物(トラス)の解析(S. Hirose) | 不静定トラスの問題を解くことができる. |
第3回 | 不静定構造物(梁,骨組およびアーチ)の解析(S. Hirose) | 不静定な梁,骨組およびアーチの問題を解くことができる. |
第4回 | 極限解析の理論(S. Hirose) | 極限解析の理論を説明することができる. |
第5回 | 極限解析の応用 (S. Hirose) | 極限解析を応用して,構造物の崩壊時における限界荷重を求めることができる. |
第6回 | トラスの要素剛性関数 (Anil C. W.) | 授業ノートの項目2.4-2.6を復習する。 |
第7回 | 大域解析方程式-直接剛性法 (Anil C. W.) | 授業ノートの項目3.1-3.2を復習する。 |
第8回 | 大域解析方程式-直接剛性法の例 (Anil C. W.) | 授業ノートの項目3.1-3.2を復習する。 |
特に無し.(S. Hirose)
McGuire, W., Gallagher, R. H. and Ziemian, 2000, Matrix Structural Analysis, 2nd edition, John Wiley, New York, USA. (Anil C. W.)
講義資料はOCW-iにアップする. (S. Hirose)
構造力学II,松本勝他,丸善株式会社,JAN:9784621046401 (S. Hirose)
授業ノートはホームページにある。(Anil C. W.)
Kassimali, A., 2012, Matrix Analysis of Structures, 2nd edition, Cengage Learning, Connecticut, USA. (Anil C. W.)
最終試験 45%,課題15% (S. Hirose)
最終試験30%、課題10%。(Anil C. W.)
構造解析についての知識とその応用問題の実用化を評価する。
構造力学第一(CVE.A202)を履修しておくこと,あるいは,同等の知識を有していること.