社会資本整備の経済学的な分析・評価のために必要となる経済理論(ミクロ経済学,交通経済学等)の基礎を学ぶ.
1. 費用や価格等のミクロ経済理論,2. プロジェクトの経済評価手法,3. 公共事業のマクロ経済効果分析,4. 公共サービスの特徴とその財源・料金制度,5. ロジスティクスの進展やPFIへの取り組み等,社会資本整備を取り巻く経済学的な基本的考え方を習得する.
経済学,ミクロ経済学,交通・都市経済学,公共経済学,市場の失敗,外部性,経済政策
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基礎理論について講述しつつ,途中,中間試験を併せて実施することにより,内容に対する理解を深める.また,最後に期末試験を実施する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 土木事業・公共事業・公共投資の評価における経済分析の役割 | ・土木事業と経済評価 ・費用便益分析の歴史 ・経済学的な考え方とは? |
第2回 | 消費者行動理論の基礎 | ・消費可能集合(予算制約) ・選好,効用,無差別曲線,限界代替率 ・選択(効用最大化) ・需要(関数),価格弾力性,所得弾力性 ・消費者余剰と経済便益計算 ・双対性 |
第3回 | 生産者行動理論の基礎 | ・可変・固定投入物・限界生産力逓減 ・短期・長期/平均・限界費用 ・可変費用と固定費用 ・費用最小化問題と費用関数 ・生産技術 ・利潤最大化問題と供給関数 ・生産者余剰 ・可変費用関数と固定費用関数 |
第4回 | 市場の理論 | ・一物一価の法則 ・価格“受容”者と価格“支配”者 ・均衡の概念および市場均衡 ・超過需要,超過供給 ・部分均衡と一般均衡 ・消費者・生産者・社会的余剰 ・厚生経済学の第一定理 ・自然独占と費用逓減,寡占 |
第5回 | 市場の失敗とその是正 | ・独占 ・外部性 ・混雑課金 ・公共財 |
第6回 | 公共事業のミクロ経済学的評価:費用・便益分析 | ・費用便益分析の原理と歴史 ・社会的割引率 ・便益の定義と計測 |
第7回 | マクロ経済と公共投資 | ・公共投資 ・乗数効果 ・インフレーションとデフレーション |
第8回 | 中間試験と解説 | 中間試験と解説 |
第9回 | 交通サービスの特徴と規制の実際 | ・交通とは ・交通サービスの費用特性 ・規制の目的・分類・方法 |
第10回 | 交通サービスの整備財源とその評価 | ・交通インフラ投資の評価 ・交通インフラ投資の財源調達 |
第11回 | 交通サービスにおける運賃政策の理論と評価 | ・総括原価方式 ・インセンティブ規制 |
第12回 | わが国における民間資金活用の経緯と展望 | ・PFI (Private Finance Initiative)とは ・エイジェンシー理論 |
第13回 | 日本のエネルギー問題-電気事業を中心に | ・エネルギー産業の現状 ・エネルギー資源供給過程と利用形態 |
第14回 | 道路課金の目的と課題 | ・道路の課金方法の基礎理論 ・道路の課金方法の課題と展望 |
第15回 | 都市の物流・物流施設を巡る政策課題 | ・物流の基礎概念 ・物流政策の評価 |
特に指定しない.講義時に配布すると共にOCW-iに掲載する.
(参)竹内健蔵(2008)交通経済学入門,有斐閣ブックス. (参)山内弘隆・竹内健蔵 (2002) 交通経済学,有斐閣アルマ.
(参)八田達夫(2009) ミクロ経済学I・II,東洋経済新報社. (参)藤井聡(2010) 公共事業が日本を救う,文春新書.
中間試験(40%),期末試験(40%),レポート課題・小テスト(20%)
「土木計画学基礎」,「土木と環境の計画理論」を履修済みであることが望ましい.また,「交通システム工学」も並行して履修することが望ましい.