講義の第1回から第4回では、都市で生活する「多様なユーザー」の心理と行動に着目し、それぞれの属性や行動場面に応じたデザインや環境のあり方について実例を示しながら解説します。社会と連携した実践的な研究の進め方や、ユーザーの視点に立った課題解決手法について理解を深めます。
講義の第5回から第8回では、文化遺産の保存と活用を取り上げます。文化遺産の保存の基本となる考え方を説明し、日本と世界各国の多様な事例をもとに、文化遺産の保存による持続可能な都市環境構築の手法を紹介解説します。講義を通して、実際の都市において自ら課題を発見し、文化遺産の保存を通じた解決方法を提案できるようになることを目標とします。
講義の第9回から第12回では、日本のみにとどまらず海外の公共建築やパブリックスペースの事例を紹介し、欧州における文化的な公共空間の役割や都市のアイデンテティなどのテーマを通して、これからの日本において持続可能な公共空間を共に考える講義とします。
講義の第13回と第14回は、講師3人が学生課題の講評を行うと共に、持続可能な地域活性化に必要な視点について提示し、学生参加の議論とします。
1)文化遺産の保存に関する基本的な考え方を理解する
2)文化遺産の保存による持続可能な都市環境構築についての多様な手法を理解する
3)現実の都市環境において自ら課題を発見し、その解決方法を提案できる
4)都市を利用する多様なユーザーの特性について理解する
5)ユーザーの心理・行動を踏まえた課題解決手法について理解する
6)社会課題の解決に資する視点を身につける
7)都市に開かれた公共建築とその役割を理解する
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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株式会社 人間環境デザイン研究所 代表としての実務経験から得られた知見を講義内容に盛り込みます。(添田) 内閣府上席政策調査員として、国宝迎賓館赤坂離宮の建造物修理計画策定に携わるなど、文化財建造物の保存修理に関する実務経験から得られた知見を講義内容に盛り込みます。(平賀) Perez Art Museum Miamiなど国内外で文化施設の建築設計に携わった実務経験から得られた知見を講義内容に盛り込みます。(石田) |
環境心理学、PDCA、ユーザビリティ、起業
文化遺産保存、持続可能性、歴史的建造物、歴史的環境
都市に開かれた公共建築、パブリックスペース、都市のアイデンテティ
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 建築空間の日常安全とデザイン | 建築事故の経年変化、事故発生のパターン、デザインと安全性の両立 |
第2回 | 建築空間のPDCA | 集合住宅におけるコミュニティ、利用行動に基づいた改修計画、PDCA |
第3回 | 親子連れの行動と空間 | 子育て世代を取り巻く社会状況、親子連れの行動モデル、子育てをサポートする環境づくり |
第4回 | ローカルビジネスの起業と持続 | ローカルビジネス、ソーシャルビジネス、地域資源の活用 |
第5回 | 「文化遺産の保存」とは何か? | 文化遺産の保存の基本となる考え方を理解する。歴史的建造物の活用の歴史を理解する。 |
第6回 | 歴史的建造物の保存と活用 | 国内外の多様な事例を通じて、歴史的建造物の保存と活用の手法、あり方について理解する。 国内外の多様な事例を通じて、産業遺産の保存と活用による地域活性化の手法を理解する。 |
第7回 | 歴史的町並みの保存とまちづくり | 国内外の多様な事例を通じて、歴史的町並みの保存とまちづくりの手法、あり方について理解する。 |
第8回 | 現代社会に適合した歴史的建造物の活用 | 現代社会に適合した歴史的建造物の活用のための今日的な取り組みを理解する。 |
第9回 | 都市に開かれた公共建築 | 北南米や欧州における公共建築の事例を通して都市との関わりを理解する |
第10回 | 欧州の文化的公共空間の役割 | 欧州都市における文化的公共空間の変遷 |
第11回 | パブリックアートと建築 | 公共空間における芸術や文化的な活動の役割を理解する |
第12回 | 都市のアイデンテティ | ドイツのシュロスプラッツを例に歴史的な文脈の中で都市のアイデンテティがどのように形成されているかを考察する |
第13回 | 学生課題の講評と議論(講師3人による合同講義の予定) | 学生課題をいくつか取り上げ、講評、議論を行う。 |
第14回 | 持続可能な地域活性化、まちづくりとは?(講師3人による合同講義の予定) | 地域活性化の具体例、取り組む主体、持続可能性と経済性 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定しない
講義時に配布する。
各講師の課すレポートと講義への参加
特になし