2020年度 確率過程論   Basics of Stochastic Process for Earthquake Engineering

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開講元
都市・環境学コース
担当教員名
盛川 仁 
授業形態
講義    (Zoom)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(G323)  
クラス
-
科目コード
UDE.S431
単位数
1
開講年度
2020年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2020年9月18日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

人間社会に大きな影響を及ぼす地震などの自然災害をとり扱うにあたって必要となる数学的手法の1つとしての確率過程論について,確率論の基礎から確率過程論,スペクトル解析の基礎までを述べる。任意のパワースペクトルに従う時系列波形を乱数を用いて生成し,それがもとのパワースペクトルからの実現値であることを実際に数値計算を用いて確認する。最終回で計算結果について発表し,その内容をまとめたレジュメを提出する。

到達目標

土木構造物や建築構造物のように自然と相対する工学的分野においては自然災害とのかかわりを避けることはできない。そのため,ハザードとなる自然現象をなんらかの形でモデル化したり,数学的手法を用いて解析することが必要である。本講では地震のような時変現象を取り扱うにあたっては確率過程論に基づくスペクトル解析に必要な数学的知識を修得させることを目的とする。具体的な到達目標は以下の通り。(1)確率空間と確率変数の定義が理解できる,(2)確率密度関数を用いて確率の計算ができる,(3)確率過程の定義が理解できる,(4)フーリエ変換を用いて時系列波形を振動数領域で表現できる,(5)パワースペクトルの物理的意味を理解できる,(6)任意のパワースペクトルに従う時系列波形を乱数を用いて生成できる。

キーワード

確率過程,フーリエ変換,フーリエ・スティルチェス積分,自己相関関数,パワースペクトル,相互相関関数,相互スペクトル,ライスの表現,数値計算,一様乱数

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

主として板書によって講義を進める。実際に手を動かしてプロジェクトを進めることで理解を深める。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 導入/課題(プロジェクト)について 講義内容,プロジェクトの具体的方針
第2回 確率論の基礎(集合論と確率空間) 集合論,確率空間の定義,確率の定義
第3回 確率論の基礎(確率変数と確率密度関数) 確率変数,確率密度関数の定義,確率の計算法
第4回 確率過程論の基礎 確率過程の定義
第5回 時系列波形のスペクトル表示 スペクトル表示,フーリエ・スティルチェス積分
第6回 パワースペクトルと位相 パワースペクトル,位相スペクトルの定義
第7回 ライスの表現・時系列波形の生成/課題(プロジェクト)の発表・討議 ライスの表現,確率過程の数値シミュレーション法/プロジェクトの発表,結果に関する議論

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

担当教員のオリジナル資料を使用する。

参考書、講義資料等

盛川仁・丸山敬 著「条件付確率場の理論と応用」 京都大学学術出版会,2001.
L. コーエン 著,吉川 昭 訳「時間‐周波数解析」 朝倉書店,1998.
盛川仁・山中浩明 著「地盤と地盤震動 ー観測から数値解析までー」朝倉書店,2019.

成績評価の基準及び方法

講義内容に基づいた課題(プロジェクト)を最初に提示する。受講生は自分でプログラミングを行い,その結果を最終回で発表する。課題(プロジェクト)の発表とレジュメによって理解度を評価する。

なお,R2年度については,発表までの準備をする時間が十分にとれない見込みであるため,発表のナレーションを録音したスライドのファイル提出によるものとする。power pointやkeynoteのような有料のプレゼンテーションソフトが使えない場合,スライドのファイル(PDFなど)と音声のファイル(MP3など)を別々に提出してもよい。

関連する科目

  • UDE.S531 : 微動探査法特論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なんらかの言語によるプログラミングができること。また,何らかの計算環境を研究室または個人で有すること。

その他

講義内容とスケジュールは受講生の理解度に合わせて適宜変更することがある。

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