本科目では、最近の有名な都市空間のデザイン理論(空間の読み解き方、理解の方法、デザイン)を紹介し、いかにして今日の考え方に至るようになったか、どれが有効でどれが有効でなかったか、そしてその理由を学習する。本科目ではまた、小規模な公共空間をデザインする機会を与える。本科目はデザインを専門としない学生向けの都市デザインの入門科目である。
本科目は、都市計画を学習する学生に対して、都市空間のデザインを理解、評価し、議論するための基本的な知識を与えることをねらいとしている。
本科目を履修することにより、学生は
1)様々な都市の空間上の条件を同定し、それらを有名な事例に照らして考察することができるようになる
2)学習した理論に照らして、都市デザインを評価することができるようになる
3)「良い」都市デザインとは何かについて語れるようになる
都市デザイン、都市計画、空間デザイン理論
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回、特定のデザイン理論と実践について講義する。講義は英語で行われるが、日本人学生に対しては鍵となるコンセプトについての日本語による注釈を用意する。講義では、主に米国の事例について紹介する。学生は、毎回の課題図書に対する小レポートの提出が義務付けられる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション:都市デザインとは何か | 現代都市デザインの課題と米国における歴史の学習 |
第2回 | 都市空間デザインの理論 | 3つの都市デザイン理論(図と地、関係性、場所性)の理解 |
第3回 | モニュメント都市 | 都市デザインの歴史的事例の理解 |
第4回 | ユートピア都市:田園都市、ブロードエーカーシティ、機能都市 | 20世紀初期のユートピア計画の歴史の理解 |
第5回 | ポストモダン:概要 | 都市デザインにおける近代主義への対応の理解 |
第6回 | リージョナリズムと自己改造都市 | 参加型デザインを含むポストモダンの検証 |
第7回 | ポスト構造主義の都市 | ポストモダンと建築デザインの再評価の理解 |
第8回 | 現地視察 | 現地視察を通じた学習 |
第9回 | 現代理論その1:ヤン・ゲール | 米国とヨーロッパの現代の場所づくり論の学習 |
第10回 | 現代理論その2:都市主義の再考と異所性 | デザインしないデザイン理論の学習 |
第11回 | 都市計画演習 | 演習を通じた学習 |
第12回 | 都市計画演習 | 同上 |
第13回 | 都市計画演習 | 同上 |
第14回 | 現代理論その3:ネオ・トラディショナリズム | ニューアーバニズムと伝統的近隣開発論の学習 |
第15回 | 現代理論その4:グリーン・アーバニズムと持続可能な都市 | 米国におけるグリーンデザインの学習 |
Gehl, Jan. Cities for People. Washington DC: Island Press, 2010. (ISBN: 159726573X)
Martin, Jonathan. New Urbanism Visual Companion (digital, provided by the professor), 2018.
Trancik, Roger. Finding Lost Space: Theories of Urban Design. Van Nostrand Reinhold, 1986. ISBN-13: 978-0442283995
成績評価は、毎回の課題図書に対する小レポート、授業中の議論への参加、都市計画演習への参加に加えて、最終課題の評価によって行う。都市計画演習は米国プラット・インスティテュートの学生と合同で行う予定である。
英語で開講する。都市・環境学コース、建築学コースの学生に推奨するが、他専門の学生を排除するものではない。