本科目は、特に環境に配慮した建築と持続可能な開発パターンを推進する点に着目して、現在、アメリカ合衆国で実践されている土地利用規制の基本を講義するものである。講義では、歴史、展開、およびマスタープランから成長管理や持続可能性を高めるゾーニング手法まで、様々な先進的取り組みを取り上げ、どれが有効で、どれが有効でないかその理由を説明する。
本科目を履修することで、学生は系における演習や将来、専門的な計画の実践に活かすことができるようになり、また、合衆国の大部分で用いられている土地利用規制要素間の関係やより持続可能な土地利用計画に向けたその改善を理解することができるようになる。
現在アメリカ合衆国の自治体、地方、州レベルで行われている土地利用規制の基礎的知識を得ること。持続可能性(社会的、環境的)を推進する土地利用開発に対する規制についての広範囲な知識を得ること。本科目を履修することによって、都市開発のプロセスにおけるプランナーの役割を理解するようになること。
土地利用計画、土地利用規制、持続可能性、アメリカ合衆国
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
学生は各回、与えられた課題図書を読み、その要約をもとに議論に参加することが求められる。日本人学生に対しては、日本語による注釈が提供される。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 米国都市計画の世界 | 手続き、関係者、意思決定プロセスの理解 |
第2回 | 包括的プラン | 包括的プランの法的位置づけと運用に関する基礎の理解 |
第3回 | 宅地分割と敷地計画の評価 | 宅地分割のプロセスと敷地計画の評価の理解 |
第4回 | 環境評価の州法(カリフォルニアとニューヨーク) | 米国における環境評価の概略の学習 |
第5回 | ゾーニングの実践(歴史と概要) | 米国におけるゾーニングの枠組みの理解 |
第6回 | ゾーニングの技術と応用(持続可能性に向けて) | 米国における持続可能性を高めるためのゾーニング技法の理解 |
第7回 | 応用技術その1(風、太陽光、グリーンインフラのためのゾーニング) | ゾーニングの風、太陽光、グリーンインフラへの応用の理解 |
第8回 | 現地視察 | 現地視察を通じた学習 |
第9回 | 応用技術その2(包摂的ゾーニング) | アフォーダブル住宅のためのゾーニング技法の学習 |
第10回 | 都市計画演習 | ワークショップを通じた技能の向上 |
第11回 | 都市計画演習 | 同上 |
第12回 | 都市計画演習 | 同上 |
第13回 | 応用技術その3(景観規制) | 美観コントロールのための規制手法の学習 |
第14回 | 米国における成長管理 | 米国におけるスプロール対策の歴史と実践の学習 |
第15回 | まとめと学生による発表 | 学生の発表による知識の向上 |
Fulton, William and Paul Shigley. Guide to California Planning, 4th Ed. Point Arena, CA: Solano Press, 2013. (ISBN: 1938166027)
NY Dept. of State. Guide to Planning and Zoning Laws of New York State: Guide to Planning and Zoning Laws of New York State (2011): http://www.dos.ny.gov/LG/publications/Guide_to_Planning_and_Zoning_Laws.pdf
成績評価は、各回の課題提出、講義時間帯におけるディスカッションへの参加、都市計画演習への参加に加えて、総合的な課題の提出によって行う。各回の課題図書に対する提出物は日本語でも英語でもどちらでもかまわない。総合課題は持続可能な土地利用規制・ゾーニングについての日米の比較をテーマとして、レポートおよび学生による発表の両方を予定。また、都市計画演習は米国プラット・インスティテュートの学生と合同で行う予定である。
英語で開講する。都市・環境学コース、建築学コースの学生に推奨するが、他専門の学生を排除するものではない。