本講義の前半では、都市で生活する多様なユーザーの心理と行動に着目し、それぞれの属性や行動場面に応じた課題の捉え方や環境のあり方について実例を示しながら解説する。社会と連携した実践的な研究の進め方や、ユーザーの視点に立った課題解決手法について理解を深める。
後半では、我々が常に晒され・接している音環境を取り上げる。音環境を物理的・工学的に説明するとともに、感覚的・聴感的な捉え方の重要性についても示す。それらをもとに、快適な音環境を実現するための考え方・方法について議論する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 都市を利用する多様なユーザーの特性について理解する。
2) 社会状況に即した課題設定を可能にする視点を身につける。
3) ユーザーの心理・行動を踏まえた課題解決手法のあり方について理解する。
4) 音環境の記述方法に関する理解を深める。
5) 音環境に対する感覚を研ぎすます。
6) 快適な音環境を実現するための考え方を理解する。
環境心理学、PDCA、ユーザビリティ、安全性、音環境、騒音、うるささ、響き、音響設計
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義資料(パワーポイント)を提示しながら講義を進めます。後半については、できるだけ様々な音(環境)を体験試聴できる機会を設けます。
試験に代えて前半、後半でそれぞれレポートの提出を求めます。前半では、今後の社会状況の変化の中で起こりうる課題を、都市建築環境がどのように解決できるのか/していくべきのかについて、後半では音環境の面で問題のある空間を提示して、それを快適な空間に変える方法について論じてもらいます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 建築空間の日常安全とデザイン | 建築事故の経年変化、事故発生のパターン、デザインと安全性の両立 |
第2回 | 建築空間のPDCA | 利用者のニーズ把握、空間デザインによる行動変化、PDCA |
第3回 | 親子連れの行動と空間 | 子育て世代を取り巻く社会状況、親子連れの行動モデル、子育てを楽しめる環境づくり |
第4回 | 社会における課題発見とその解決の視点 | 前半レポート課題(講義時間内にレポートを作成します) |
第5回 | 普段の生活と音環境、音の基礎 | 受講生の普段の音環境の再認識 音の基礎知識の復習 |
第6回 | “静けさ”と騒音制御 | 静けさの記述方法の理解 静けさを実現するための方法の理解 |
第7回 | 室内音響 | 響きの成り立ちの理解 心地よい響きを実現するための方法の理解 |
第8回 | 空間の音響設計 | 音響設計の全体像の理解 建築設計における音響的課題の抽出と対応の考え方の理解 |
なし
現代音響学、建築・環境音響学
レポート
なし