2017年度 建築数理設計特論   Mathematical Design of Structures

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開講元
都市・環境学コース
担当教員名
寒野 善博 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(J231)  木1-2(J231)  
クラス
-
科目コード
UDE.S502
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

建築構造物を合理的に設計するためには,その挙動を的確に把握する体系的な枠組みと,設計プロセスそのものを論理化する方法論の,双方が望まれる.そのためには,力学現象や設計要件の本質を捉える数理モデリングが重要である.この講義では,モデリングの道具となる行列の数理と最適化手法の基礎を解説し,それらが応用力学の諸問題にどのように生かされるかについて講述する.
最適化によるモデリングは,この講義で触れる問題に限らず,広く工学の諸分野で有用である.また,行列の性質を力学的な概念と結び付けて理解することは,工学の諸分野における数値計算において有用である.

到達目標

構造物の設計問題を最適化問題としてモデリングする技法を習得する.また,構造力学における諸概念を,行列の数学的な構造の観点から捉え直す.

キーワード

構造最適化,位相最適化,凸計画,整数計画,接触力学,変分不等式

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

論理が追えるように板書を中心とし,時に,プロジェクタを用いる.また,質問の時間を途中に設けるなど,インタラクティブにする.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 予備試験とその解説・アンケート 事前知識の確認
第2回 適合行列・釣合行列 定義の理解
第3回 適合行列・釣合行列の階数と安定性・静定性(1) 行列の階数(ランク)の概念の理解
第4回 適合行列・釣合行列の階数と安定性・静定性(2) トラス構造の安定性・静定性の概念の理解
第5回 剛性行列と正定値性(1) 剛性行列・正定値行列の定義の確認
第6回 剛性行列と正定値性(2) 固有値と正定値性の概念の理解
第7回 剛性行列と正定値性(3) 正定値性の工学的意味の理解
第8回 剛性最大化設計と凸計画(1) 剛性最大化設計の定義の理解
第9回 剛性最大化設計と凸計画(2) 凸性の理解
第10回 剛性最大化設計と凸計画(3) 剛性最大化設計の解法の理解
第11回 整数計画による最適設計(1) 整数計画の概念と解法の理解
第12回 整数計画による最適設計(2) 整数計画による最適設計法の理解
第13回 接触力学と凸解析(1) 接触力学で扱う問題の概念の理解
第14回 接触力学と凸解析(2) 凸解析の基礎の理解
第15回 接触力学と凸解析(3) 凸解析による接触力学の諸手法の理解

教科書

対象分野が多岐にわたるため,講義内容に一対一対応する教科書は指定できない.

参考書、講義資料等

寒野善博,土谷隆『最適化と変分法』丸善出版,ISBN: 978-4621088548
田村 明久,村松 正和『最適化法』共立出版,ISBN: 978-4320016163
室田一雄,杉原正顯『線形代数I』丸善出版,ISBN: 978-4621089712
G. ストラング (井上昭・訳)『線形代数とその応用』,産業図書,ISBN: 978-4782805022
Yoshihiro Kanno, "Nonsmooth Mechanics and Convex Optimization", CRC Press, ISBN: 978-1420094237
Stephen Boyd, Lieven Vandenberghe, "Convex Optimization", Cambridge University Press, ISBN: 978-0521833783
Martin P. Bendsoe, Ole Sigmund, "Topology Optimization: Theory, Methods, and Applications", Springer, ISBN: 978-3642076985
Peter Wriggers: Computational Contact Mechanics (2nd ed.). Springer-Verlag, ISBN: 978-3540326083

成績評価の基準及び方法

レポート課題により理解度を評価する.

関連する科目

  • UDE.S406 : 建築構造テンソル解析

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

微分積分学第一,微分積分学第二,線形代数学第一,線形代数学第二を履修していること,または同等の知識があること.

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