2017年度 持続可能な都市環境特論第一   Sustainable Built Environment I

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開講元
都市・環境学コース
担当教員名
喜々津 仁密  喜々津 仁密  小林 秀樹 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(G323)  
クラス
-
科目コード
UDE.E405
単位数
1
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年3月24日
講義資料更新日
2017年6月11日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

持続可能な都市環境の施策を考える上では、都市の基盤となる地理情報や気候・気象情報の把握が重要である。また、都市の環境は郊外の農地や森林と密接に関係しており、郊外の環境にも目を向ける必要がある。この講義では、都市や郊外の環境を把握するための空間基盤情報や日射環境などの気象の基礎について説明する。さらに、都市環境をモニタリングする手法としてリモートセンシング技術による土地被覆の把握や都市の街路樹などの三次元情報の取得について説明する。
本講義の後半では、東日本大震災その他の近年発生した自然災害の事例を示しながら、建築物の被害発生メカニズムについて幅広く理解を深めていく。そして竜巻被害への取り組みを例題にして、被害形態の抽出、実験パラメータの選択、工学モデルの構築と手順を経て、それが被害軽減に資する耐風工学のなかでどのように展開されていくのか、実験的研究の道すじを紹介する。また、東日本大震災を経験した今日では単に安全性の確保だけでなく、被災後の建築物の継続使用性をどのように確保していくか、という視点も求められている。大地震後の継続使用性評価の体系化と技術開発の研究についても紹介し、防災の観点からの持続可能性の考え方に結び付けていく。なお、本講義では防災分野を題材としているが、被害の誘因と素因に係る本質を抽出し、それを工学的なモデルに置換して解決策を展開していくというプロセスは他の分野にも応用できるものと考える。講義をとおして、課題設定・解決のスキルとして身につけていただきたい。

到達目標

本講義を履修することによって、次の能力を習得する。
1)都市環境を把握するための地理空間情報や気象環境について理解できる。また、リモートセンシング技術による都市と郊外の広域モニタリングの原理と応用事例について理解する。
2)実現象を観察して、そこから解決すべき課題の本質を抽出し、課題解決に必要な道すじやモデル化を展開できる。

キーワード

リモートセンシング、GIS、微気象、微気候、自然災害、竜巻、耐風設計、継続使用性、工学モデル

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

担当教員が準備する講義資料をもとに授業を進めます。計算課題に取り組んでもらう場合があるため、電卓や計算機機能のあるスマホ等を持参して下さい。2名の教員それぞれが、レポート課題を提示します。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 都市環境把握のための空間基盤情報の基礎  -地理情報システムの基礎について 地理情報の座標系の定義確認、地図投影法の理解、空間情報の定義法の理解
第2回 都市環境把握のための微気象・微気候の基礎  -日射環境や放射収支・熱収支について 微気象を記述する物理法則の理解
第3回 都市とその周辺の環境モニタリング(1)  -リモートセンシングの基礎 リモートセンシングの原理の理解
第4回 都市とその周辺の環境モニタリング(2)  -土地被覆の把握とレーザースキャナー観測 リモートセンシングによる土地被覆分類法や三次元情報の抽出法の理解
第5回 災害の定義と防災モデル、東日本大震災での地震・津波被害の概要 災害・防災モデルの概要と、自然災害のうち、地震・津波による被害概要の理解
第6回 近年発生した強風・竜巻・大雪被害の概要 自然災害のうち、気象外乱による被害概要の理解
第7回 研究紹介1:竜巻による突風荷重モデルの構築に関する研究 耐風構造分野の事例をとおした実験的研究アプローチの理解
第8回 研究紹介2:大地震後の建築物の継続使用性確保に資する研究 耐震構造分野の事例をとおした実験的研究アプローチの理解

教科書

指定しない

参考書、講義資料等

講義の前に配布する。

成績評価の基準及び方法

前半の講義内容に対するレポート(小林、50%)
後半の講義内容に対するレポート(喜々津、50%)

関連する科目

  • UDE.P405 : 持続可能な都市環境特論第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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