高層建物の構造材料として,最も広範囲に使用されているコンクリートおよび鋼の弾塑性挙動について講述する。特に,三次元有限要素法による解析結果を適切に評価できる知識を得るために,三次元応力とひずみ,三次元の構成則(フックの法則),鋼材の降伏条件およびコンクリートの多軸応力下における破壊基準について解説する.また,コンクリートと鋼の非線形挙動を利用して,RC梁やRC柱の非線形領域における曲げおよびせん断挙動の解析手法を習得する.
コンクリートおよび鋼の3次元応力とひずみ,3次元の構成則に関する知識を身に付け,鋼の降伏条件およびコンクリートの多軸応力下における破壊基準を理解できるようになる.また,RC梁やRC柱の非線形領域における曲げおよびせん断挙動を習得できる.
3次元,応力,ひずみ,構成則,降伏条件,破壊基準,曲げ挙動,せん断挙動
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で授業を進めます.講義を行った部分に関する宿題を用い,復習を兼ねて前回講義分を解説します。講義の後半で,新しい内容について講義を行います.各回の学習目標を意識して,予習・復習を行って下さい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | コンクリートと鋼の材料特性 | コンクリートと鋼の違いについて |
第2回 | 3次元の応力 | 応力度について |
第3回 | 主応力と主軸 | 主応力の意味するところを理解する |
第4回 | 3次元のひずみ | 変形場から歪を計算できる |
第5回 | 弾性体の応力ひずみ関係 | 1次元から3次元の構成則 |
第6回 | 弾性学の基礎方程式と有限要素法 | エネルギー法に基づいた釣合式 |
第7回 | 応力関数の応用 | 応力関数を用いた演習 |
第8回 | 降伏条件と塑性状態における応力ひずみ関係 | 降伏判定の例題 |
第9回 | コンクリートの破壊基準 | コンクリートの破壊判定 |
第10回 | コンクリートの拘束効果と数値モデル | 拘束したコンクリートの応力歪関係 |
第11回 | RC梁および柱の非線形挙動についての概説 | RC構造物の地震被害について |
第12回 | 鉄筋およびコンクリートの非線形性を考慮したRC梁および柱の曲げ挙動その1 (軸力が無い場合) | 論文調査① |
第13回 | 鉄筋およびコンクリートの非線形性を考慮したRC梁および柱の曲げ挙動その2 (軸力が有る場合) | 論文調査② |
第14回 | RC梁および柱の変形成分 | RC梁および柱の曲げ解析 |
第15回 | RC梁および柱の地震時挙動 | 部材中の応力や歪状態の説明 |
なし
Reinforced Concrete Structures (Park and Paulay)
宿題,期末試験および授業への出席による
特になし
河野進(kono[at]serc.titech.ac.jp)(045-924-5384)
事前予約すること。