バーチャルリアリティシステムは、利用者に多感覚情報を提示し、利用者の運動をバーチャル世界に入力することで、計算機内のバーチャル世界の体験を生成する。
運動に合わせた感覚情報提示により体験を作り出すというバーチャルリアリティという考え方は、体験に関わるインタフェース設計のための重要な考え方である。
バーチャルリアリティシステム作成のための原理、考え方、技術もまたインタラクティブシステムを制作するために重要である。
そこで、この講義では、バーチャルリアリティという考え方を理解し、実現手法を知ることを目指す。
バーチャルリアリティの原理、構築手法、関連する、人間の感覚運動系、センサ、アクチュエータ、シミュレーション、レンダリング技術の概要を説明でき、新規バーチャルリアリティシステムの概要の提案ができるようになること。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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IVRC(Interverse Virtual Reality Challenge)の運営経験、VR作品の制作・指導経験を生かして、VRシステムの設計の指導を行う |
バーチャルリアリティ、インタラクション、ヒューマンインタフェース、シミュレーション
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
12回か13回の講義。
最後の1~2回は、新規バーチャルリアリティシステムの提案とプレゼンテーションの実習を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | バーチャルリアリティとは何か | バーチャルリアリティという考え方、原理、効果、限界について理解する |
第2回 | 物理シミュレーション概要(計算機によるシミュレーション、3次元空間と回転) | 計算機によるシミュレーション及び3次元空間と回転の数学表現について理解する |
第3回 | 質点・剛体のシミュレーション | 質点と剛体の動力学シミュレーションを理解する |
第4回 | 連続体のシミュレーション | 連続体のシミュレションを理解する |
第5回 | バーチャルヒューマンとキャラクタモーション | バーチャルヒューマンとキャラクタモーション生成手法について理解する |
第6回 | 視覚 | 人の視覚の基礎を理解する |
第7回 | 光学、カメラ | 光学とカメラの基礎を理解する |
第8回 | ディスプレイ | 視覚ディスプレイの基礎を理解する |
第9回 | コンピュータグラフィクス | コンピュータグラフィクスの基礎を理解する。 |
第10回 | 聴覚、音の性質、発音、定位、提示 | 聴覚と関係する音の物理について理解する |
第11回 | 皮膚感覚、力覚、体性感覚 | 力触覚の基礎を理解する |
第12回 | 前庭感覚・聴覚・触覚の比較、移動感覚 | 前庭感覚と前庭感覚と聴覚、触覚の類似点相違点を理解する。 |
第13回 | バーチャルリアリティシステムの提案(実習 オンラインで行います) | 新規バーチャルリアリティシステムの設計法を習得する。 |
第14回 | ポスター発表会(オンラインで行います) | 設計した新規バーチャルリアリティシステムについてのプレゼンテーションと意見交換を行う |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
スライドを使用。ホームページからスライドをダウンロードしてください。
バーチャルリアリティ学(日本バーチャルリアリティ学会編)コロナ社
ポスター発表会の新規バーチャルリアリティシステムの内容とそれを説明するポスター。
計算機、数値計算についての基礎知識。バーチャルリアリティの体験。