生殖補助医療技術、遺伝子診断、遺伝子治療、生命維持、ES細胞やiPS細胞の活用など、現代の生命科学技術が目覚ましく発展してきている。これに伴い、次のような問題が多数生じている。
・生命倫理:人の尊厳や人権に関する問題など
・利用:ヒトゲノム情報、遺伝子や細胞の技術、遺伝資源(微生物や動植物)、利益配分に関わる問題など
・制限や保全:遺伝子改変の許容範囲、生物多様性に関わる問題など
これらの問題に関し、講師が具体例を示し解説したうえで、学生間・講師で議論し、考え方を深め、対応の仕方を学ぶ。
本講義では生命科学の多大な発展に伴って生じている、生命倫理・安全性・利用の問題に関し、基本を学ぶとともに、これらの問題に関し、科学者・技術者として、どのように考え、適切に対応してゆけば良いか考える能力の修得を目的とする。
ヒトゲノム情報、バイオセキュリティ、遺伝資源、生物多様性
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本授業は集中講義として開催され、1回につき2.5コマの授業を実施する。
毎回、2時限の講義を休憩をはさみ連続して2回行った後、1時限の討論を行う。
[平成30年度]すずかけB2棟B221講義室、遠隔配信:大岡山南2号館S222講義室受信
平成30年10月25日(木) 5-8限+レポート
平成30年11月 1日(木) 5-8限+レポート
平成30年12月13日(木) 5-8限+レポート
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 「ヒトゲノム情報の性質について(1)」 増井 徹氏(慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター) ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報の特性と利用の現状について解説し、いくつかの事例について検討し、討論を行う。 | ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報の特性と利用の現状について理解する。 |
第2回 | 「ヒトゲノム情報の性質について(2)」 増井 徹氏(慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター) ゲノム情報を利用する場合に起こる問題点について解説し、いくつかの事例について検討し、討論を行う。 | ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報利用の問題点について理解し、適切な対応を考える能力を修得する。 |
第3回 | 「遺伝資源・生物多様性の利用と保全」 鈴木 睦昭氏(国立遺伝学研究所 知財室室長) 生物多様性のもたらす遺伝資源、すなわち有用な遺伝子を持つ動植物や微生物の利用は、大きな利益をもたらす。資源提供国と利用国間での利益配分の不公平、生物多様性の危機といった、重要な問題をもたらしている。遺伝資源に関する解説を行い、問題点を検討し、討論を行う。 | 遺伝資源と生物多様性の問題点を理解し、適切な対応を考える能力を修得する。 |
指定しない。
講義資料:ハンドアウトを毎回配布する。
毎回提出するレポート (100%)
特に無し。