2016年度 生体分子計測   Biomolecular Analysis

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開講元
生命理工学コース
担当教員名
藤井 正明  大谷 弘之  長田 俊哉  酒井 誠 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(B223, W831)  木3-4(B223, W831)  
クラス
-
科目コード
LST.A501
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

原子間力顕微鏡は液中での観察が可能なことから生体分子への応用が期待されている。探針が試料表面に直接接触することから生体分子の観察だけでなく、分子間相互作用を調べたり、1分子操作などが可能である。この顕微鏡の原理や測定法について概説する(長田)。Schrödinger方程式の解である分子の状態とその状態に固有のエネルギーの説明をする。分子の電子状態と振動状態を波動関数を用いて記述し、状態間遷移の確率を式で表現する。光子の吸収、放出を伴う遷移の具体的な取り扱いを可視紫外、赤外、ラマン効果といった測定手法と対応づけて解説する(大谷藤井酒井)。また、レーザーの原理と種々のレーザーの発振原理と特性を解説し、レーザー特有の測定方法に関して概説する(藤井酒井)。

到達目標

生体分子を原子間力顕微鏡と分光法を用いて計測する方法の原理、応用について解説し、物理学の理解を深めることを念頭にして講義をする。原子間力顕微鏡は探針を使って分子の形状や分子間の相互作用を調べることができる走査型のプローブ顕微鏡であり、これを使った生体分子の測定法を理解できるようにする(長田)。光計測は分子の状態間遷移に基づいている。従って分子の状態とその状態に固有のエネルギーをSchrödinger方程式の解であることをふまえて、光吸収や発光による遷移を理解する。その後、無輻射的な遷移や化学反応の理解につなげるための準備をする(大谷)。分光計測に可視紫外、赤外、ラマンなどの基礎となる量子化学理論と測定の実例、また重要な光源であるレーザーの原理と種類、顕微鏡を含むその応用を解説し、代表的かつ現代的な分光法の原理と応用を理解できるようにする。(藤井酒井)

キーワード

AFM, 基準振動, 分子振動, 赤外線吸収とラマン効果, レーザー, 超解像顕微鏡法

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の最初に、前回の授業の復習をする。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題を行う場合がある。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 原子間力顕微鏡 (1)概論 原子間力顕微鏡の原理
第2回 原子間力顕微鏡 (2)イメージング 原子間力顕微鏡のイメージング
第3回 原子間力顕微鏡 (3)一分子原子間力顕微鏡 原子間力顕微鏡による一分子解析
第4回 原子間力顕微鏡 (4)一細胞原子間力顕微鏡 原子間力顕微鏡による一細胞解析
第5回 電子遷移と分光学 (1)分子のエネルギー準位と波動関数 分子の波動関数の理解
第6回 電子遷移と分光学 (2)遷移の量子力学的記述 光と分子の相互作用の理解
第7回 電子遷移と分光学 (3)可視・紫外領域の吸収と発光 電子遷移の理解
第8回 電子遷移と分光学 (4)励起三重項状態とリン光 三重項状態とその性質の理解
第9回 振動遷移と分光学 (1)分子振動の量子力学的記述 Understanding molecular vibration
第10回 振動遷移と分光学 (2)基準振動 基準振動による分子振動の理解
第11回 振動遷移と分光学 (3)赤外線吸収とラマン効果 赤外吸収とラマン散乱の原理の理解
第12回 振動遷移と分光学 (4)遷移の実例と振動緩和 スペクトルと分子振動の関係の理解
第13回 レーザーと生体分光計測(1)レーザーの原理と種々のレーザー 2波長レーザー分光法を利用した超解像顕微鏡の原理
第14回 レーザーと生体分光計測(2)レーザーを用いる顕微鏡 超解像顕微鏡による生体試料観察
第15回 レーザーと生体分光計測(3)レーザーを用いる非線形分光法 非線形分光法を利用した赤外超解像顕微鏡の原理と応用

教科書

未定

参考書、講義資料等

必要に応じ講義開始時に資料を配付し、Power-pointを用いた解説を行う。

成績評価の基準及び方法

試験或はレポート課題(80%)をだし、授業ごとの演習問題(20%)と合わせて成績をつける。

関連する科目

  • LST.A409 : 細胞物理生物学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

物理化学I,II,IIIを履修していること,または同等の知識があること。

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