2022年度 環境微生物学   Environmental Microbiology

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開講元
生命理工学コース
担当教員名
和地 正明  本郷 裕一  八波 利恵  MC GLYNN SHAWN ERIN 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2  金1-2  
クラス
-
科目コード
LST.A503
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

地球上の多様な環境中にはそれぞれに特異的な微生物群集が存在しており、物質とエネルギーの循環に大きく貢献している。本講義では、環境微生物の生理・生態・系統分類の概要とその研究手法、ならびに、それら環境微生物の応用手法と事例を紹介する。和地は土壌微生物の分離・同定法とその有効利用、特に抗生物質の探索や環境浄化・農業での利用について教授する。八波は極限環境に生育する微生物(極限環境微生物)の生態と適応機構、またそれらが生産するタンパク質の構造と機能について教授する。本郷は環境中の難培養微生物群集を対象としたメタゲノム解析や1細胞ゲノム解析などの研究手法を、腸内微生物を主な題材として教授する。McGlynnは環境微生物の多様なエネルギー獲得様式、さらに生命の起源を考える講義を行う。

到達目標

本講義によって以下の知識を修得し、概要を説明できるようになる。
1. 多様な環境中の微生物群集の系統的多様性と生理・生態、およびそれらの研究手法
2. 土壌微生物の研究手法とその機能の農業生産、環境浄化、物質生産への応用
3. 極限環境微生物の機能とその応用

キーワード

土壌微生物、極限環境微生物、微生物利用、難培養微生物、メタゲノミクス、エネルギー獲得機構、生命の起源

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

ZOOMでオンライン講義を行う。パワーポイントのスライドを使用して、英語で実施。スライドは講義前にアップロードする予定。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 土壌微生物の分離培養と同定 土壌微生物の分離培養・同定法を理解し、説明できる
第2回 環境微生物からの抗生物質のスクリーニング 抗生物質産生微生物の単離とスクリーニング法について理解し、その概要を説明できる
第3回 微生物の産業への利用 応用微生物学、特に微生物発酵について理解し、その概要を説明できる
第4回 極限環境微生物(導入)および好熱性・好アルカリ性微生物・好塩性微生物とその酵素 好熱性・好アルカリ性微生物・好塩性微生物とその酵素の耐熱・耐アルカリ・耐塩機構について説明できる
第5回 好圧性微生物とその酵素 好圧性微生物とその酵素の耐圧機構について説明できる
第6回 有機溶媒耐性微生物とその酵素 有機溶媒耐性微生物とその酵素の有機溶媒耐性機構について説明できる
第7回 極限環境微生物および極限酵素の産業への利用 極限環境微生物および極限酵素の産業への利用ついて理解し、説明できる
第8回 細菌における「種」と微生物群集構造解析 細菌における「種」の概念に関する仮説を理解し、群集構造解析手法の概要を説明できる
第9回 FISHとメタゲノミクス 蛍光 in situハイブリダイゼーション法とメタゲノミクスの概要を理解し、説明できる
第10回 1細胞ゲノミクスと機能解析 1細胞ゲノミクスの手法と機能的ゲノム解析について理解し、説明できる
第11回 微生物個体群の機能の多様性 単一系統の微生物個体群であっても、その発現形質が異なり得ることを理解し、その理由を考察できる
第12回 微生物の多様なエネルギー獲得機構 生物が持つ多様なエネルギー獲得機構を理解し、どのような未知の機構が存在しうるか考察できる
第13回 生命に最低限必要なエネルギー量を考える 前回の講義に基づいて、地球上の生命が必要とする最低限のエネルギー量を計算し、観察結果と照合して考察できる
第14回 生命の起源についてわかっていることは何か? 現生の全生命体の共通祖先(LUCA)に関する議論の曖昧さを理解し、考えうる形質と時期を考察できる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

環境と微生物の事典(日本微生物生態学会編)、極限環境生命(コロナ社、伊藤ら)、IFO微生物学概論(倍風館)など
必要に応じ講義開始時にプリント資料を配付し、パワーポイントを用いた解説を行う。

成績評価の基準及び方法

各担当教員毎にレポート課題、またはオンラインでの試験を実施し、それらの評価を総合して最終評価とする。

なお、提出レポートに既存の文献(インターネット上の情報を含む)や他学生のレポートからの剽窃・盗用が発覚した際には、成績評価を0点とします。場合によっては懲戒処分が本学から下される可能性があります。

関連する科目

  • LST.A345 : 微生物学
  • LST.A347 : 進化生物学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けない。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

和地 正明(mwachi[at]bio.titech.ac.jp)、本郷 裕一(yhongo[at]bio.titech.ac.jp)、八波 利恵(yatsunami.r.aa[at]m.titech.ac.jp)、Sahwn McGlynn (mcglynn[at]elsi.jp)

オフィスアワー

メールでのみ受け付ける。

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