近年のバイオテクノロジーの発展により、生命システムを人工的にデザイン・設計することが可能となってきた。この分野の研究は合成生物学と呼ばれている。本講義では、合成生物学分野における基礎的な技術とそれが、生命システムのどのような理解につながったのか、どのように社会実装されているかを学ぶ。
合成生物学分野の基本的な概念、基礎的な技術及びその重要性について論じることができるようになる。すなわち、創ることでわかる、わかって社会実装に資する生命システム創ることの重要性を実例を挙げ論じることができるようになる。
転写ネットワーク、ゲノム編集技術、ゲノム合成、非天然アミノ酸・核酸、人工細胞、進化工学、バイオテクノロジー
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義は3人の教員が担当する。全て対面形式で実施する。講義で必要な資料はあらかじめOCWからダウンロードして講義に臨むこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 合成生物学の概要 | 合成生物学という学問分野について概要を説明できる |
第2回 | DNAからタンパク質へ | DNAからRNAへ RNAからタンパク質へ 転写制御 |
第3回 | 転写ネットワーク1 | ネットワークモチーフとは FFLネットワークモチーフ |
第4回 | 転写ネットワーク2 | 転写ネットワークの時間プログラム シグナル伝達のネットワークモチーフ |
第5回 | ゲノムレベルでの生物システム改変 | 細胞や生物個体を改変、制御するためのゲノムDNA工学について説明できる。ゲノム改変技術がもたらす社会インパクトについても説明できる。 |
第6回 | 転写レベル・代謝回路レベルでの生物システム改変 | 細胞を転写レベルで改変、制御するための生物工学について説明できる |
第7回 | 計算科学と合成生物学(タンパク質のデザイン)1 | 機械学習やAIを用いたタンパク質分子のデザインを学ぶ |
第8回 | 計算科学と合成生物学(タンパク質のデザイン)2 | 機械学習やAIを用いたタンパク質分子のデザインを演習形式で学ぶ |
第9回 | 試験管内で行う核酸工学 | 天然及び非天然の核酸分子を試験管内で利用する技術や解析手法及びそれらを用いた研究に関する説明ができる |
第10回 | 試験管内で行うタンパク質工学 | 無細胞翻訳系に関する概要及びそれを利用した研究に関する説明ができる。 |
第11回 | 試験管内での進化分子工学 | 試験管内で核酸やタンパク質を進化させる技術や研究事例について説明ができる。 |
第12回 | 試験管内で創る人工細胞 | 人工細胞を創る研究の概要を説明できる |
第13回 | 創る生物学について考える | 自然科学と人文科学それぞれの切り口で"生命を創る"ことの意義を多面的に考える |
第14回 | 合成生物学の今後+期末試験 | 筆記試験を対面で行う。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
配付資料
講義ごとに配布する。
Synthetic Biology, (Springer International Publishing, Ediotrs, Anton Glieder, Christian P. Kubicek , Diethard Mattanovich , Birgit Wiltschi and Michael Sauer)
教員が講義の都度、課題を課す。加えて、期末試験を対面で行う。課題、期末試験をもとに成績を評価する。
生物に関する基礎知識を有していることが望ましいが、必須ではない。
松浦(matsuura_tomoaki[at]elsi.jp)
相澤(yaizawa[at]bio.titech.ac.jp)
藤島(fuji[at]elsi.jp)
寺坂(nterasaka[at]elsi.jp)
Longo (llongo[at]elsi.jp)
教員に事前にメールで連絡を取ること