2022年度 植物生理学   Plant Physiology

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開講元
生命理工学系
担当教員名
太田 啓之  久堀 徹  田中 寛  増田 真二  下嶋 美恵  刑部 祐里子 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(S422)  金3-4(S422)  
クラス
-
科目コード
LST.A334
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2022年3月16日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 植物や藻類など光合成を行う生物は、二酸化炭素の固定による物質生産や酸素の発生を行うことで、地球環境の形成・維持と生命の生存に極めて重要な役割を持つ。また我々人類にとって植物や藻類は、食糧としてのみならず、医薬品材料、工業原材料、エネルギー資源としても欠かすことのできない存在である。本講義では、そのような光合成を行う生き物の生理、環境適応の仕組みを、その研究の歴史から、最先端レベルでの研究まで幅広く取り上げながら、理解する。受講生は、動物がもつ環境への適応の仕方と比較しながら、その仕組みや生命と環境とのかかわりについて考えてほしい。                                                                                                                                                                     

到達目標

1.植物や藻類などの光合成生物の生理や、巧みな環境適応の仕組みを分子から細胞、個体、生態のレベルで理解する。    2.地球環境の形成と生命進化において光合成生物の果たしてきた役割を知り、生命システムの本質を考察するとともに、光合成生物を活用した物質生産に必要な基盤知識を習得する。

キーワード

植物、藻類、光合成生物、環境応答、植物ホルモン、葉緑体、ミトコンドリア、栄養応答、光形態形成、植物ゲノム

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回講義資料としてプリントを配布し、プリントに基づいて講義を進める。必要に応じて参考書を併用する。習得の程度を授業内に質問等で確認する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 植物細胞の構造、機能と環境応答(田中寛) 植物細胞の構造的特徴や機能について理解する。
第2回 葉緑体の機能と環境応答、進化(田中寛) 葉緑体の生い立ち、その代謝機能と植物における役割を理解する。
第3回 水と植物 水の吸収、水分ストレス(下嶋美恵) 植物が水に応答して成長する仕組みを理解する。
第4回 植物の主要栄養元素とその吸収(下嶋美恵) 植物の主要栄養元素とその獲得機構、それら栄養素が欠乏した際の応答機構について理解する。
第5回 栄養飢餓への適応と生体膜の機能(下嶋美恵) 植物の栄養飢餓への応答の仕組みととくにその際の生体膜の役割について理解する。そのため、植物の生体膜に関する基礎知識も学ぶ。
第6回 温度と植物 温度ストレスへの適応(下嶋美恵) 温度が植物の成長に与える影響と、低温、高温、凍結ストレスに対する植物の適応メカニズムを理解する。
第7回 植物と光の関わり 光形態形成(増田真二) 植物が光に依存して成長する仕組みを理解する。
第8回 植物と光の関わり 光レセプター(増田真二) 植物が光を認識する仕組みを理解する。
第9回 ミトコンドリアの構造、機能と環境応答(久堀徹) ミトコンドリアの生い立ち、その代謝機能と植物における役割を理解する。
第10回 エネルギー代謝(久堀徹) 光エネルギー変換である光リン酸化と化学エネルギー変換である酸化的リン酸化の違い、意義を理解する。
第11回 植物ホルモンと動物ホルモン(刑部祐里子) 植物に見いだされる種々のホルモン様生理活性物質についてその機能の概要を動物ホルモンと比較しながら理解する。
第12回 植物ホルモンの生理作用と情報伝達(刑部祐里子) 前回に概説した植物ホルモンについて、その作用機構の詳細や研究の最前線を理解する。
第13回 植物に免疫系はあるか?病傷害ストレスへの応答(太田啓之) 植物が病害ストレスに適応する仕組みや物理的な傷害を受けた時の応答機構について理解する。
第14回 植物の遺伝子組換え・ゲノム(太田啓之) 植物の遺伝子組換え法について学ぶとともに植物ゲノム研究の歴史と現在を知り、植物科学研究の今後を展望する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

なし

参考書、講義資料等

新しい植物ホルモンの科学、植物ホルモンの分子生物学

成績評価の基準及び方法

講義回毎の小テストにより評価する。

関連する科目

  • 光合成科学
  • 生物資源科学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

生物化学第一、分子生物学第一を履修しておくことが望ましい。

オフィスアワー

各担当教員が定める。

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