2022年度 生物化学第二   Biochemistry II

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開講元
生命理工学系
担当教員名
和地 正明  白木 伸明  田川 陽一  中村 信大  三重 正和 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(H121)  金7-8(H121)  
クラス
-
科目コード
LST.A218
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2022年10月5日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

細胞は様々な生体分子によって構成され、それら生体分子が様々な細胞のはたらきを司っている。動物は、食物中のグルコース、脂肪酸、アミノ酸を分解してアデノシン三リン酸(ATP)を合成し、ATPの加水分解によって得られるエネルギーを用いて生体分子の合成や様々な生命活動を行っている(エネルギー代謝)。本講義では、細胞がATPを合成するしくみと、細胞や動物個体がそのおかれた状況に応じてATP合成のレベルを調節するしくみを理解する。さらに、動物個体レベルでの恒常性維持のしくみと代謝の関わりについて理解する。

本講義は、すべての生命現象を行う上で不可欠となるエネルギーを細胞が生み出す根本原理を理解することをねらいとする。

なお、本授業科目は、生物化学第一、分子生物学第一、分子生物学第二と関連が深いので、それらと合わせて履修することを推奨する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) エネルギー代謝、すなわち細胞がグルコース、脂肪酸、アミノ酸を分解することによってどのようにしてATPを合成するのかを説明できる。
2) 細胞や動物個体がそのおかれた状況に応じてどのようにエネルギー代謝のレベルを調節しているのかを説明できる。
3) 生体の恒常性維持におけるホルモンや代謝産物の役割を説明できる。

キーワード

代謝、エネルギー代謝、糖代謝、アミノ酸代謝、ヌクレオチド代謝、脂質代謝、恒常性維持、ホルモン

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

対面で行う。必要に応じて各回の講義冒頭で過去の講義内容を振り返り、今回の講義の要点を示す。各回の講義中に、講義内容の理解を確認するための課題またはレポートを課す場合がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 糖代謝I:解糖系、発酵 グルコースをピルビン酸に酸化分解し、エネルギーを生産するしくみを説明できる
第2回 糖代謝II:解糖系の別経路、糖新生、グリコーゲン代謝 ピルビン酸などの低分子を材料にグルコースを合成する代謝経路、およびエネルギー貯蔵物質としてのグリコーゲンの代謝経路を説明できる
第3回 クエン酸回路、補充経路、グリオキシル酸回路 ピルビン酸を好気的に代謝し、エネルギーや生合成材料を生産する代謝経路を説明できる
第4回 呼吸、電子伝達系、酸化的リン酸化 I グルコースを代謝して取り出した還元力を用いてATPを合成するしくみを説明できる
第5回 呼吸、電子伝達系、酸化的リン酸化 II グルコースを代謝して取り出した還元力を用いてATPを合成するしくみを説明できる
第6回 アミノ酸代謝I :アミノ酸の分解、代謝制御 アミノ酸を分解してエネルギーや生合成材料を生産する代謝経路を説明できる
第7回 アミノ酸代謝II:個々のアミノ酸の代謝分解 個々のアミノ酸の代謝経路の特徴を説明できる
第8回 アミノ酸代謝III:アミノ酸の生合成 必須アミノ酸と非必須アミノ酸の生合成経路について説明できる
第9回 脂質代謝I:脂肪酸のβ-酸化 脂肪酸を分解してエネルギーを生産する代謝経路を説明できる
第10回 脂質代謝II:脂肪酸の生合成 脂肪酸を生合成する代謝経路について説明できる
第11回 脂質代謝III:脂質の消化吸収輸送、コレステロール代謝 動物個体が脂質を消化吸収し、臓器に輸送するしくみを説明できる
第12回 代謝調節の原理、シグナル分子 代謝産物が代謝流量を変動させる分子レベルのしくみを説明できる
第13回 糖代謝の調節、ホルモン、恒常性維持と疾患 細胞や動物個体が状況に応じて糖代謝を変動させるしくみと恒常性維持におけるホルモンの役割を説明できる
第14回 核酸代謝 DNAやRNAの材料となるヌクレオチドを合成・分解する代謝経路を説明できる

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

ヴォート 生化学 第4版 (上・下)。他に必要な資料は配布する。

参考書、講義資料等

細胞の分子生物学 第5版(Alberts 他, ニュートンプレス)、エリオット 生化学・分子生物学 第3版、他に必要な資料は配布する。

成績評価の基準及び方法

講義で取り上げた生化学的過程を説明し、その知識を課題解決に利用できるかどうかを成績評価の基準とし、上記到達目標を小テストやレポート等により評価する。

関連する科目

  • 生物化学第一
  • 分子生物学第一
  • 分子生物学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが、生物化学第一・分子生物学第一・分子生物学第二を履修していることが望ましい。

その他

コロナ感染対策として履修人数制限が必要な場合には、生命理工学院の学生を優先することがあります。
2022年12月27日の講義は休講にします。

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