2021年度 生物化学第一   Biochemistry I

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開講元
生命理工学系
担当教員名
小畠 英理  川上 厚志  村上 聡  中戸川 仁  加藤 明 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(S622)  金3-4(S322)  
クラス
-
科目コード
LST.A203
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2021年4月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 本講義では、生命を構成する生体分子の構造と機能を詳しく解説する。タンパク質の構成成分であるアミノ酸の構造と性質、タンパク質の化学構造、立体構造、およびタンパク質の研究法について解説した後、構造と機能について概説する。一方、生命の設計図ともいえる核酸については、その基本構造と機能、核酸の研究法、遺伝子発現の制御、そして遺伝子工学の基礎について解説する。また、糖鎖の構造と機能、生体膜を構成する脂質の構造と機能、生体膜の性質についても理解を深める。さらに酵素の構造と機能、反応速度、反応機構について概説する。
 生体分子の構造と機能についての基礎的知見を習得するとともに、それらの研究法や機能発現機構について学び、生命科学とバイオテクノロジーに対する理解を深めることを本講義のねらいとする。
 なお、本授業科目は生物化学第二、分子生物学第一、分子生物学第二と関連が深いので、それらと合わせて履修することを推奨する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) アミノ酸、およびタンパク質の化学構造、立体構造を説明できる。
2) タンパク質の基本的な性質、構造と機能の関係を理解し、タンパク質の研究法について説明できる。
3) 核酸の構造と機能を理解し、遺伝子発現の制御機構や、遺伝子工学を含む核酸の研究法を説明できる。
4) 糖鎖、脂質の化学構造、生体膜の構造と機能について説明できる。
5) 酵素の構造と機能、反応の速度論、触媒機構について理解し説明できる。

キーワード

生体分子、アミノ酸、タンパク質、核酸、DNA、RNA、遺伝子、遺伝子工学、脂質、生体膜、酵素、反応速度、反応機構

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

ZOOM配信で行う。必要に応じて各回の講義冒頭で過去の講義内容を振り返り、今回の講義の要点を示す。各回の講義中に、講義内容の理解を確認するための課題またはレポートを課す場合がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 アミノ酸の構造と性質 タンパク質の構成単位であるアミノ酸の構造と性質、タンパク質構造の基本となるアミノ酸間のペプチド結合を説明できる。
第2回 タンパク質の研究法 タンパク質の基本的な性質を理解し、各種クロマトグラフィーによる単離精製法、電気泳動等による分析法を説明できる。
第3回 タンパク質の化学構造 タンパク質の一次構造の決定法、ポリペプチドの化学合成法を説明できる。
第4回 タンパク質の立体構造 タンパク質の二次構造、三次構造、四次構造について理解し、高次構造の安定性に寄与する各種結合について説明できる。
第5回 タンパク質の機能発現 タンパク質のフォールディングについて説明でき、さらにヘモグロビンを例にタンパク質の構造と機能の相関について理解を深める。
第6回 核酸の構造と機能 核酸の化学構造を理解し、遺伝情報の担い手がDNAであると分かった経緯、さらにDNAの立体構造について説明できる。
第7回 遺伝子発現の制御 遺伝子の情報がRNAとタンパク質の合成を指令する遺伝子発現の過程、およびDNAの複製過程が説明できる。
第8回 核酸の研究法および遺伝子工学 DNA塩基配列決定法、電気泳動等核酸の分析法、また遺伝子工学の基礎について説明できる。
第9回 脂質の構造と機能 リポタンパク質の性質、および生体膜の物質輸送機構等について説明できる。
第10回 生体膜の構造と機能 生体膜の構造と機能、膜タンパク質の構造と機能について説明できる。
第11回 リポタンパク質の性質 リポタンパク質の性質、および生体膜の物質輸送機構等について説明できる。
第12回 酵素の構造と機能 酵素とは何かを理解し、酵素の基質特異性、補酵素、酵素活性の調節等について説明できる。
第13回 酵素の触媒機構 酵素の触媒機構について、化学触媒の機構を通して理解し、酵素の具体例としてリゾチーム、セリンプロテアーゼの触媒機構を理解し、説明できる。
第14回 酵素反応の速度論 化学反応速度論、ミカエリス・メンテン式をはじめとする酵素反応速度論、酵素反応の阻害、について説明できる。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

ヴォート 生化学 第4版(上)

参考書、講義資料等

細胞の分子生物学 第6版 (Alberts 他、ニュートンプレス)

成績評価の基準及び方法

講義で取り上げた生化学的過程を説明し、その知識を課題解決に利用できるかどうかを成績評価の基準とし、上記到達目標をレポート等により評価する。

関連する科目

  • 生物化学第二
  • 分子生物学第一
  • 分子生物学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし。

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