生物の進化過程の解明は、生命科学における最大の命題の一つである。本講義では、これまで進化生物学を学んでこなかった学生にも理解できるように、自然選択説、分子進化の中立説などの基礎からはじめ、分子系統学、ゲノム進化学、進化発生学、さらに進化を理解する上で必須な生物多様性維持機構に関する生態学までを網羅する。
本講義により、進化を中心とする研究分野だけではなく、多様な生命理工学専門分野で必要とされる進化生物学の基礎的専門知識を教授する。
進化生物学の基礎的専門知識を修得し、自然選択説、中立説等の基盤的進化理論に加えて、分子系統樹の概念、進化発生学の基礎、原核生物と真核生物のゲノム構造の相違と進化様式、生物多様性が成立する理論の説明ができるようになる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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本講義は,民間企業においてゲノム・遺伝子情報解析の実務経験を持つ教員がその実務経験を活かし, 進化生物学が大学における基礎研究だけでなく,民間企業における有用遺伝子探索にも応用可能であることが 伝わるような教育を行う。 |
進化、分子進化、分子系統、ゲノム進化、発生進化、生物多様性、生態
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
ZOOM配信講義を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 進化概論:生命の起源と系統樹 | 生命の起源と系統樹の基本を理解し、説明できるようになる。 |
第2回 | 自然選択と中立説1 | 進化における自然選択説と分子進化の中立説の理論を理解し、その基本を説明できるようになる |
第3回 | 自然選択と中立説2 | 自然選択説と中立説の基本を、実例を上げながら説明できるようになる。 |
第4回 | 生物進化と遺伝子重複 | 遺伝子重複が生物進化に与える影響とそのメカニズムを説明できるようになる。 |
第5回 | 原核生物のゲノム構造と進化 | 原核生物のゲノム構造と進化機構を理解し、その概略を説明できるようになる。 |
第6回 | 真核生物のゲノム構造と進化 | 真核生物のゲノム構造と進化機構を理解し、その概略を説明できるようになる。 |
第7回 | 動物の多細胞体制の進化 | 多細胞生物(動物)の進化の概略を説明できるようになる。 |
第8回 | 動物の進化発生: Hoxと形態進化 | 動物の形態進化の基本と、この過程における Hox の役割を説明できるようになる |
第9回 | 動物の進化発生: 新奇形質の獲得と形態の多様化 | 動物の進化過程で、新奇形質が獲得され、形態が多様になる機構を説明できるようになる |
第10回 | 分子系統解析1 | 分子系統解析の基本概念を説明できるようになる。 |
第11回 | 分子系統解析2 | 実用されている分子系統解析法各種の概略をそれぞれ説明できるようになる。 |
第12回 | 性とは何か:有性生殖の起源と進化 | 有性生殖の起源と進化を理解し、なぜ「性」があるのか、を説明できるようになる。 |
第13回 | 種多様性の成立機構:競争, 捕食, 共生 | 競争、捕食、共生などの種間相互作用とニッチの概念を理解し、種多様性成立機構の基本を説明できるようになる。 |
第14回 | 種多様性の評価方法 | 生物種多様性の評価手法を理解し、説明できるようになる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
適宜資料を配布する。
適宜配布する。
各担当教員が講義時間内に小テストを実施して評価する。
履修条件は特にない。
yhongo[at]bio.titech.ac.jp (本郷裕一教授); mnikaido[at]bio.titech.ac.jp(二階堂雅人准教授); takehiko[at]bio.titech.ac.jp(伊藤武彦教授); mitanaka[at]bio.titech.ac.jp(田中幹子准教授); tachibana.k.aa[at]m.titech.ac.jp(立花和則准教授); mkaji[at]bio.titech.ac.jp(梶川正樹講師)
2Qも登校禁止なので、メールで問い合わせてください。