2018年度 生物有機化学   Bioorganic Chemistry

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開講元
生命理工学系
担当教員名
三原 久和  湯浅 英哉  清尾 康志  大窪 章寛 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4(H121)  木3-4(W241)  
クラス
-
科目コード
LST.A333
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2018年6月27日
講義資料更新日
2018年4月13日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本科目では、生物を構成する様々な分子の有機化学について講義し、有機化学の基礎的な知識や考え方を応用して、生命現象を化学者の立場で理解できるようになることを目指します。具体的には糖、アミノ酸、核酸、脂質など、生命活動に必要不可欠な分子について、その性質・構造・反応・生理活性について有機化学の立場から講義します。生体分子を有機分子として理解する能力は化学メーカー、医薬品メーカー、食品メーカーなどの産業界や大学、研究所などのアカデミック分野で活躍するバイオ研究者・化学研究者の双方に幅広く有用な内容ですので積極的に履修して下さい。
履修の条件は特に設けませんが、生命理工学コースの有機化学第一、有機化学第二、有機化学第三、有機化学第四と同等の内容を既に修得していることを前提に授業を進めます。

到達目標

【到達目標】第一の到達目標は糖、アミノ酸、核酸、脂質など生体分子の化学構造式を正しく描けるようになることです。第二の到達目標はそれら構造式の中から有機化学的に特徴的な構造を見つけ出し、生体分子を有機分子として理解することです。第三の到達目標は、これまでに学習した有機化学の知識や考え方を応用して、生体分子の働きや合成法を有機化学反応として理解することです。これらの目標を達成することにより、生命の営みを化学の言葉で説明し考える技能を養います。また、複雑な構造をもつ生体分子の有機化学を学習することで有機化学の全体像を復習し、それを応用する能力を養うことができます。
【テーマ】本講義では代表的な生体分子である、糖、アミノ酸、核酸、脂質およびそれらが種々の分子と融合したバイオコンジュゲート分子を題材に生体分子を有機化学的に理解することを学びます。

キーワード

有機化学 ペプチド 糖 核酸 脂質

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義の冒頭で前回の内容を復習し、その後その日の教授内容に関して講義を行います。授業時間中に適宜問題演習と小テストを行い、理解度を確認しながら進めます。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 Introduction: 生命と有機化学、アミノ酸の性質 有機化学の基本事項を復習し、生体の中での有機化学の役割を理解する。アミノ酸の化学構造を描けるようになり、構造からそれらの性質を説明できるようになる。
第2回 アミノ酸の化学合成 ガブリエル合成法など、単純な有機化合物から、アミノ酸を合成する反応やアミノ酸に保護基を導入する反応の反応機構を描けるようになる。
第3回 ポリペプチドの化学合成 ポリペプチドの化学合成に用いる保護アミノ酸の構造や縮合反応および副反応について反応機構を描けるようになる。
第4回 炭水化物の名称と構造 糖の化学構造を描けるようになり、IUPAC命名法に基づき命名できるようになる。
第5回 糖に対する酸化・還元反応 糖のアノマー位および水酸基に対する酸化・還元反応の反応機構を描けるようになる。
第6回 グリコシド結合の形成と分解 グリコシド結合の形成反応の分解反応の反応機構を描けるようになる。
第7回 演習(アミノ酸、ペプチド、糖) 理解度を演習により復習し理解が完全なものになる。
第8回 中間テストと復習(糖・ペプチド) 糖とペプチドについて、第1回から第6回までの理解度をテストにより確認するとともに復習し理解が完全なものになる。
第9回 ヌクレオシド・ヌクレオチドの構造と性質 ヌクレオシドとヌクレオチドの化学構造を描けるようになり、構造からそれらの性質を説明できるようになる。
第10回 核酸の二重螺旋構造と性質 核酸の二重螺旋構造の特徴を理解し、それらの構造的特徴と他の分子との相互作用を説明できるようになる。
第11回 ポリヌクレオチドの化学合成 ポリヌクレオチドの化学合成に用いる保護ヌクレオチドの構造や縮合反応および副反応について反応機構を描けるようになる。
第12回 脂質の構造と性質 脂質の化学構造を描けるようになり、構造からそれらの性質を説明できるようになる。
第13回 脂質の合成と機能 生化学的および化学的な脂質合成反応の反応機構を描けるようになる。また、脂質の構造からその機能を説明できるようになる。
第14回 バイオコンジュゲート分子の化学 糖、ペプチド、ポリヌクレオチド、脂質などを互いに連結したバイオコンジュゲート分子についてそれらの構造と性質を説明できるようになる。
第15回 演習(核酸・脂質・バイオコンジュゲート分子) ヌクレオシド、ヌクレオチド、脂質、バイオコンジュゲート分子についてについて、第8回から第14回までの内容を復習し理解が完全なものになる。

教科書

ボルハルトショア―有機化学(下)第6版 化学同人

参考書、講義資料等

[参考書] ボルハルトショア―有機化学(上)第6版 化学同人および解答集

成績評価の基準及び方法

生体分子の構造・反応・合成に関する有機化学およびそれらの応用に関する理解度を評価する。小テスト(30%)、中間テスト(35%)および期末試験(35%)で評価する。

関連する科目

  • LST.A202 : 有機化学第一(アルカン,ハロアルカン)
  • LST.A207 : 有機化学第二(アルコール,アルケン)
  • LST.A212 : 有機化学第三(ベンゼン,ケトン)
  • LST.A217 : 有機化学第四(カルボニル化合物,アミン)
  • LST.A343 : 医薬品化学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件は特に設けない

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