H30年度 物理化学第一(熱力学,反応速度)   Physical Chemistry I

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開講元
生命理工学系
担当教員名
上野 隆史  小畠 英理  徳永 万喜洋  長田 俊哉  三重 正和  石井 佳誉 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
火1-2(H121)  金1-2(H121)  
クラス
-
科目コード
LST.A201
単位数
2
開講年度
H30年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
H30年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

物質・エネルギーや物理的変化・化学変化に関する事物・現象に関し、熱力学と分子運動論を中心として、物理学の基本的な概念や原理・法則の理解を深めることを目標とする。日常生活に表れる様々な運動と力・圧力・エネルギーや、物質の状態と変化に関し、広く土台となる科学的な見方や考え方を養う。特に、抽象的で難解とされることの多い、熱の関わる現象の本質を理解することにより、状態や反応の変化の向き、利用することができるエネルギーといった、自然現象全般の根幹となる法則の本質を理解し、科学的な考察能力を深める。

到達目標

1) 分子運動論を理解し、力学的エネルギーと熱エネルギー、力と圧力、温度の分子論的意味を説明できる。
2) 熱力学第一法則の理解により、エネルギーの諸形態と保存を説明できる。
3) 熱力学第二法則の理解により、熱・温度と仕事に関する考察を深め、エントロピーと変化の向きを説明できる。
4) ギブズエネルギーを理解し、利用できるエネルギー、相平衡と相転移に関わる事象を定量的に議論できる。
5) 分子論・熱統計力学の観点から、微視的にエントロピー・温度・ギブズエネルギーの意味を理解し、熱の関わる現象の本質を説明できる。

キーワード

熱力学、分子運動論、エントロピー、ギブズエネルギー、平衡状態と自発的変化、反応、相平衡と相転移

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
- - -

授業の進め方

教科書「アトキンス生命科学のための物理化学」に即して、入門的に詳細な解説を講義で行います。随時、テキストにある問題を演習的に各自で解いて理解を深めます。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 基本概念と気体分子運動論(三重 正和、上野 隆史) 温度と圧力・運動エネルギーとの関係を、気体を分子の衝突からなる分子運動論により導出する。
第2回 系と外界、仕事と熱、内部エネルギー (三重 正和、上野 隆史) 系と周囲(熱浴)下での仕事・熱・内部エネルギーに関する基本関係式を記述する。
第3回 熱力学第一法則:エネルギー保存則、エンタルピー、物理過程 (三重 正和、上野 隆史) 物理過程におけるエンタルピー変化を、エネルギー保存則としての熱力学第一法則を用いて計算する。
第4回 化学反応とエンタルピー:結合エンタルピー、生成エンタルピー、反応エンタルピー(三重 正和、上野 隆史) 化学反応におけるエンタルピー変化を計算する。
第5回 熱機関の思考実験カルノーサイクル、熱効率、クラウジウスの不等式(三重 正和、上野 隆史) カルノーサイクルにおける熱の出入りと仕事を計算し、熱効率とクラウジウスの不等式を導出する。
第6回 熱力学第二法則:エントロピー、平衡、自発変化の向き(德永 万喜洋、石井 佳誉) 自発変化の向きをエントロピーを用いて定量的に記述する。
第7回 熱力学第三法則、化学反応に伴うエントロピー変化(德永 万喜洋、石井 佳誉) 絶体エントロピーを理解する。化学反応に伴うエントロピー変化を計算する。
第8回 ギブズエネルギー、自発変化と平衡、最大仕事(德永 万喜洋、石井 佳誉) 全系のエントロピーとギブズエネルギーの関係を理解し、自発変化・平衡・化学反応におけるギブズエネルギー変化と仕事を定量的に記述する。
第9回 微視的状態から観た熱平衡と不可逆変化、温度、エントロピー(德永 万喜洋、石井 佳誉) 熱力学第二法則の分子論的考察から、エントロピーと温度を統計力学的に理解する。
第10回 ボルツマン分布、ギブズエネルギーの分子論的意味、エネルギー等分配則(德永 万喜洋、石井 佳誉) ボルツマン分布とギブズエネルギー変化の意味を分子論的視点から理解する。
第11回 相転移とギブズエネルギー、相図(小畠 英理、長田 俊哉) 相転移におけるギブズエネルギーの圧力変化と温度変化を定量的に記述し、相図を理解する。
第12回 物質固有な点、水の相図、生体高分子・凝集体における相転移(小畠 英理、長田 俊哉) 水の相図が特徴的である理由を説明する。核酸やタンパク質構造と生体膜の相転移をギブズエネルギー変化により定量的に理解する。
第13回 混合物の熱力学的記述、化学ポテンシャル:一様性、溶媒、溶質(小畠 英理、長田 俊哉) 溶媒と溶質に関し、化学ポテンシャルの濃度依存性を定量的に記述する。
第14回 活量、ドナン平衡、混合のエントロピー、沸点・凝固点の変化、浸透圧(小畠 英理、長田 俊哉) ドナン平衡の細胞における役割を理解する。混合のエントロピー・沸点上昇・凝固点降下・浸透圧に関し化学ポテンシャル変化から定量的に記述する。
第15回 浸透圧法、反応ギブズエネルギー、反応比、生物学的標準状態(小畠 英理、長田 俊哉) 浸透圧法によりモル質量を計算する。反応ギブズエネルギーの濃度依存性、反応比について定量的に記述する。

教科書

Atkins他『アトキンス生命科学のための物理化学 第2版』東京化学同人,2014年,ISBN-13: 978-4807908387.

参考書、講義資料等

Atkins他『アトキンス物理化学(上) (下) 第8版』東京化学同人,2009年,ISBN-13: 978-4807906956, 978-4807906963.
Tinoco他『バイオサイエンスのための物理化学 第5版』東京化学同人,2015年; ISBN-13: 978-4807908806.
Reif他『統計物理 <復刻版>バークレー物理学コース』丸善,2011年; ISBN-13: 978-4621083437.
長岡洋介『統計力学』岩波書店,1994年; ISBN-13: 978-4000079273.
Phillips他『細胞の物理生物学』共立出版,2011年; ISBN-13: 978-4320057166.

成績評価の基準及び方法

期末テストを行い、基本的な事項に関する問い、本質的な理解を問う記述問題、定量的な理解を問う計算問題とにより評価する。適宜小テストを行う。小テスト・期末テスト:100%。

関連する科目

  • LST.A206 : 物理化学第二(統計熱力学)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特に無し。

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