2017年度 分子生物学第一   Molecular Biology I

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
生命理工学系
担当教員名
岩﨑 博史  山口 雄輝  廣田 順二  梶川 正樹  中島 信孝  相澤 康則 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(H101)  金7-8(H101)  
クラス
-
科目コード
LST.A208
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

セントラルドグマを構成するDNA複製、転写、翻訳という3つの重要な過程について、それぞれの分子機構を詳細に解説するとともに、それらに関連するDNA修復、DNA組換え、RNAプロセシング、タンパク質の翻訳後修飾、フォールディング、品質管理、ユビキチン・プロテアソーム系などの分子機構についても解説する。

生命活動を細胞レベルで支える基本的な分子装置への理解を深めることで、高次生命機能への理解に結びつけたり、工学的応用を目指せるようにすることが本講義のねらいである。
                                          
なお、本授業科目は分子生物学第二、生物化学第一、同第二と関連が深いので、それらと合わせて履修することを推奨する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)セントラルドグマを構成するDNA複製、転写、翻訳という3つの重要な過程について、それぞれの分子機構を詳細に説明できる。
2)セントラルドグマに関連するDNA修復、DNA組換え、RNAプロセシング、タンパク質の翻訳後修飾、フォールディング、品質管理、ユビキチン・プロテアソーム系などの分子機構について、それぞれの基本的な分子メカニズムを説明できる。

キーワード

セントラルドグマ、DNA複製、転写、翻訳、DNA修復、DNA組換え、RNAプロセシング、クロマチン、エピジェティクス、たんぱく質のフォールディングと翻訳後修飾

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

必要に応じて、各回の講義冒頭の10〜15分で過去の講義内容を振り返り、今回の講義の要点を示す。各回の講義最後の10〜15分に、講義内容の理解を確認するための小テストを課す場合がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 DNAとゲノムの構造:DNAの構造 DNA二重らせん構造の詳細を理解し、DNAのトポロジーやトポイソメラーゼの働きを説明できるようになる。
第2回 DNAとゲノムの構造:ゲノムの構造 大腸菌やヒトゲノムの構造、具体的には染色体やクロマチン構造、セントロメア、テロメア、その他リピート配列を理解し、ゲノムの研究法を説明できるようになる。
第3回 DNA複製:DNA複製の全体像 半保存的複製、トポロジー問題、末端複製問題といったDNA複製の全体像を理解し説明できるようになる。
第4回 DNA複製:DNA複製の各段階 半保存的複製、トポロジー問題、末端複製問題といったDNA複製の全体像を理解し説明できるようになる。
第5回 DNA修復 DNA修復の様々な経路、具体的には直接修復、塩基除去修復(BER)、 ヌクレオオチド除去修復(NER)、ミスマッチ修復、二本鎖切断修復等を理解し説明できるようになる。
第6回 DNA組換え DNA相同組換えの分子機構や生理学的意義、ホリデイ構造、トランスポゾンの転移や部位特異的的組換えの機構等を理解し説明できるようになる。
第7回 転写:転写の基本概念 遺伝子の構造、RNAポリメラーゼの種類や構造、転写の開始・伸長・終結機構等を理解し説明できるようになる。
第8回 転写:細菌の転写制御 大腸菌の転写制御のしくみをlacオペロンやtrpオペロンを例に説明できるようになる。
第9回 転写:真核生物の転写制御 真核生物に固有なエンハンサーや転写調節因子の構造や機能を理解し説明できるようになる。
第10回 転写:真核生物のクロマチン制御、エピジェネティクス 真核生物に固有なクロマチンレベルの制御やエピジェネティック制御を理解し説明できるようになる。
第11回 RNAのプロセシングと分解:真核mRNAのプロセシング mRNAのキャッピング、スプライシング、ポリ(A)付加等の分子機構を理解し、選択的スプライシングの制御機構やその生理学的意義を説明できるようになる。
第12回 RNAのプロセシングと分解:非コードRNAのプロセシング、RNA分解 非コードRNAのプロセシング、リボザイム、RNA分解経路、RNAi、品質管理機構等を理解し説明できるようになる。
第13回 翻訳:翻訳の一連の過程 コドン表、ニーレンバーグとマターイの実験、tRNAとリボソームの構造、アミノアシルtRNA合成酵素、翻訳の開始・伸長・終結の分子機構を理解し説明できるようになる。
第14回 翻訳:フォールディングと翻訳後修飾 タンパク質のフォールディング、分子シャペロンの役割、翻訳後修飾の種類や機能的意義を理解し説明できるようになる。
第15回 タンパク質のプロセシングと分解 タンパク質の品質管理、ユビキチン・プロテアソーム系、リソソーム系、プリオン病等を理解し説明できるようになる。

教科書

ヴォート 生化学 第4版(下)

参考書、講義資料等

細胞の分子生物学 第5版 (Alberts 等 ニュートンプレス)、 ヴォート 生化学 第4版(上)

成績評価の基準及び方法

講義で取り上げた生化学的過程を説明し、その知識を課題解決に利用できるかどうかを成績評価の基準とし、上記到達目標を期末試験により評価する。

関連する科目

  • LST.A203 : 生物化学第一
  • LST.A213 : 分子生物学第二
  • LST.A218 : 生物化学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが、生物化学第一を履修していることが望ましい。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

岩﨑:hiwasaki[at]bio.titech.ac.jp、山口:yyamaguc[at]bio.titech.ac.jp、廣田:jhirota[at]bio.titech.ac.jp、中島:nnakashima[at]bio.titech.ac.jp、相澤:yaizawa[at]bio.titech.ac.jp、梶川:mkaji[at]bio.titech.ac.jp

このページのトップへ