2017年度 動物生理学   Animal Physiology

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開講元
生命理工学系
担当教員名
中村 信大  川上 厚志  白木 伸明 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-8(H101)  木7-8(H101)  
クラス
-
科目コード
LST.A344
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

生理学は,私たちの健康や病気の理解に役立つ基本的な学問である。
本講義を履修することにより、近代生物学成立の歴史を理解し、生物学が現代科学の中で持つ意義を学習する。多細胞生物の動物がどのようにして自身の恒常性を保っているのかについて、基本的な概念や仕組みを理解することを目指す。さらに、生体の内部環境の変化を感知してその情報を内分泌系により伝達して対処を促す仕組みや、病原体などの異物をすみやかに認識し排除する免疫の仕組みについて分子レベルで理解できるようにすることを目標とする。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を習得する。
1) 現代生命科学の意義・成り立ちと、近代生命科学の基礎となる重要な概念を理解する。
2) 多細胞生物のからだを維持する組織恒常性、組織再生の仕組みについて理解を深める。
3) 免疫による生体防御の基礎概念について説明することができる。
4) 内分泌による生体の恒常性維持とその情報伝達系及び処理系の概略について説明することができる。

キーワード

組織恒常性、再生、発生、免疫学、内分泌、代謝

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の後半で,その日の授業内容に関する小テストを行い、期末試験とあわせて成績評価の一部に用いる。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 発生生物学と医学の関わり (1) 発生異常、攪乱物質の作用 (川上) 発生異常、攪乱物質の作用,メカニズムを理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第2回 発生生物学と医学の関わり (2) 先天異常のメカニズム (川上) 先天異常の発生メカニズムを理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第3回 発生生物学と医学の関わり (3) 遺伝子治療、幹細胞 (川上) 遺伝子治療、幹細胞 の主要な方法や定義について理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第4回 発生生物学の歴史と近代生命科学の基礎概念 (川上) 発生生物学の歴史と近代生命科学の基礎概念についいて学ぶ。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第5回 組織恒常性の維持と組織の再生 (川上) 組織恒常性の維持と組織の再生について理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第6回 免疫とは? 自然免疫と獲得免疫 (中村) 自然免疫と獲得免疫の概念を理解する。テキストの予習(主に24章)、復習を推奨する。
第7回 免疫グロブリンの構造と遺伝子構造 (中村) 抗体(免疫グロブリン)の構造とその遺伝子構造について理解する。テキストの予習(25章)、復習を推奨する。
第8回 B細胞の分化と多様性の獲得 (中村) 抗体の多様性を生み出すしくみを理解する。テキスト(25章)の予習、復習を推奨する。
第9回 T細胞の種類と役割,抗原提示の分子基盤 (中村) T細胞の種類と役割,抗原提示と認識の分子基盤を理解する。テキストの予習(25章)、復習を推奨する。
第10回 T細胞の分化と活性化 (中村) T細胞の分化と活性化のメカニズムと意義について理解する。テキストの予習(25章)、復習を推奨する。
第11回 内分泌とは? 神経系 vs 内分泌 (白木) 内分泌系についての基本的事項を理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第12回 ホルモンの種類,受容体と細胞内情報伝達 (白木) ホルモンとホルモン受容体の関係、およびホルモンによるシグナル伝達を理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第13回 ホルモンの生理機能 (1) ストレス対処 (白木) ストレス状態におけるホルモンの分泌を理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第14回 ホルモンの生理機能 (2) 血糖の調節 (白木) インスリン、インスリン拮抗ホルモンおよびインクレチンによる糖代謝調節を理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。
第15回 ホルモンの生理機能 (3) 体液の恒常性維持 (白木) レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系を介した体液の調節機構を理解する。テキストの予習、復習を強く推奨する。

教科書

(第1~5回)Lewis Wolpert, Cheryll Tickle 「ウオルパート 発生生物学」第4版 (メディカル・サイエンス・インターナショナル), ISBN978-4895927161
(第6~10回) Bruce Albert ほか 「細胞の分子生物学」第5版(ニュートンプレス)の第24-25章, ISBN978-4-315-51867-2
(第11~15回) Donald Voet, Judith G.Voet 「ヴォート生化学(上)」第4版(東京化学同人)の第16-19章, ISBN978-4-8079-0807-3

参考書、講義資料等

必要に応じて,講義資料は講義中またはOCW-iを介して配布する。
中尾一和『最新 内分泌代謝学』診断と治療社、ISBN978-4-7878-1937-6

成績評価の基準及び方法

毎回の授業の理解達成度を小テストまたはレポートで評価し,この結果と期末試験スコアを総合して,本講義の到達目標の達成度を評価する。

関連する科目

  • LST.A208 : 分子生物学第一
  • LST.A335 : 遺伝学
  • LST.A362 : 進化・発生学
  • LST.A346 : 基礎神経科学
  • LST.A406 : 分子発生・進化学
  • LST.A401 : 分子細胞生物学
  • LST.A404 : 分子生理学
  • LST.A213 : 分子生物学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

分子生物学、遺伝学を履修していることを推奨。

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