微生物学の基礎的な知識を学ぶことを目的とする。微生物学の歴史、微生物学的操作法(分離、培養、観察)、系統分類、増殖、微生物の細胞構造(細菌、アーキア、真核微生物)、エネルギー代謝、物質代謝、細胞間相互作用、共生・寄生、病原性微生物と感染症、微生物の利用について教授する。
本講義を履修することによって次のことを修得する。
1)微生物学の歴史
2)微生物学的な実験操作(特に微生物の分離方法、培養方法、観察方法)
3)生物の系統分類(特に16S rRNAによる分子系統分類)
4)微生物の増殖の数学的な表現
5)微生物細胞の構造(細菌、アーキア、真核微生物)
6)微生物のエネルギー代謝
7)微生物の物質代謝
8)微生物の細胞間相互作用
9)共生・寄生
10)病原性微生物と感染症
11)微生物の有効利用
分子系統分類、系統樹、細菌、アーキア、真核微生物、代謝、呼吸、発酵、共生、寄生、細胞間相互作用、感染症
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義の前半では前回の内容を復習し、後半では各回の内容について教科書に従って教授する。必要に応じてプリント資料を配布する。講義を受けるにあたって、教科書の対応部分を予習してくることを求める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 微生物学の歴史 | パスツール、コッホ、レーベンフックについて説明できる |
第2回 | 微生物学的操作法:分離法、培養法、観察法、保存法 | 顕微鏡の使い方を理解する |
第3回 | 微生物の系統分類:生命の発生と進化、分子系統分類 | 系統樹の作り方を理解する |
第4回 | 微生物の構造(1):細菌、アーキア、ウイルス | グラム陽性細菌、グラム陰性細菌の細胞構造について理解する |
第5回 | 微生物の構造(2):真核微生物(酵母、カビ、原生生物) | 真核細胞の構造について理解する |
第6回 | 微生物のエネルギー代謝(1):解糖系、発酵 | 解糖系について理解する |
第7回 | 微生物のエネルギー代謝(2):呼吸、光合成 | TCA回路、電子伝達系、光合成について理解する |
第8回 | 微生物の物質代謝:アミノ酸代謝、核酸代謝、その他 | 窒素代謝について理解する |
第9回 | 微生物の増殖:数学的表現、細胞分裂様式、増殖に影響を与える因子 | 増殖速度定数、連続培養について理解する |
第10回 | 微生物の遺伝学:形質転換、形質導入、組換え | DNA、遺伝子について理解する |
第11回 | 微生物間相互作用:バイオフィルム、クォーラムセンシング | クォーラムセンシングについて理解する |
第12回 | 共生・寄生:植物との共生、動物との共生 | 根粒菌、腸内細菌について理解する |
第13回 | 病原性微生物と感染症 | 病原因子について理解する |
第14回 | 微生物の利用(1):発酵生産、代謝工学 | アルコール発酵について理解する |
第15回 | 微生物の利用(2):環境浄化(バイオレメディエーション)、抗生物質の生産 | バイオレメディエーション、スクリーニングについて理解する |
新・微生物学 新装第2版
別府輝彦・著 (講談社 新バイオテクノロジーテキストシリーズ)
必要に応じ講義開始時にプリント資料を配付し、パワーポイントを用いた解説を行う。
期末試験
履修条件は特に設けないが,環境微生物学以外の関連する科目を履修していることが望ましい。
和地正明(mwachi[at]bio.titech.ac.jp、5770)、平沢敬(thirasawa[at]bio.titech.ac.jp、5780)、中島信孝(nnakashima[at]bio.titech.ac.jp、3626)
講義終了後、またはメールで事前予約し、各教員の教員室で質問に応じる。