2017年度 生物化学第二   Biochemistry II

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開講元
生命理工学系
担当教員名
駒田 雅之  和地 正明  工藤 明  白木 伸明  田川 陽一  中村 信大  三重 正和 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(H101)  金7-8(H101)  
クラス
-
科目コード
LST.A218
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

細胞は様々な生体分子によって構成され、それら生体分子が様々な細胞のはたらきを司っている。動物は、食物中のグルコース、脂肪酸、アミノ酸を分解してアデノシン三リン酸(ATP)を合成し、ATPの加水分解によって得られるエネルギーを用いて生体分子の合成や様々な生命活動を行っている(エネルギー代謝)。本講義では、細胞がATPを合成するしくみと、細胞や動物個体がそのおかれた状況に応じてATP合成のレベルを調節するしくみを理解する。さらに、動物個体レベルでの恒常性維持のしくみと代謝の関わりについて理解する。

本講義は、すべての生命現象を行う上で不可欠となるエネルギーを細胞が生み出す根本原理を理解することをねらいとする。

なお、本授業科目は、生物化学第一、分子生物学第一、分子生物学第二と関連が深いので、それらと合わせて履修することを推奨する。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) エネルギー代謝、すなわち細胞がグルコース、脂肪酸、アミノ酸を分解することによってどのようにしてATPを合成するのかを説明できる。
2) 細胞や動物個体がそのおかれた状況に応じてどのようにエネルギー代謝のレベルを調節しているのかを説明できる。
3) 生体の恒常性維持におけるホルモンや代謝産物の役割を説明できる。

キーワード

代謝、エネルギー代謝、糖代謝、恒常性維持、ホルモン

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

必要に応じて各回の講義冒頭の10分で過去の講義内容を振り返り、今回の講義の要点を示す。各回の講義最後の15分に、講義内容の理解を確認するための小テストを課す場合がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 エネルギー代謝とは - その原理 細胞が食物中の分子を分解してATPを合成する原理、およびATPを加水分解してエネルギーを作り出す原理を説明できる
第2回 糖代謝:グリコーゲン代謝、解糖系、糖新生 エネルギー代謝において、グリコーゲンを分解してグルコースを得、グルコースをピルビン酸に分解する代謝経路、およびピルビン酸などの低分子を材料にグルコースを合成する代謝経路を説明できる
第3回 糖代謝 (つづき):発酵、クエン酸回路、別経路 エネルギー代謝において、有酸素条件および無酸素条件でピルビン酸を代謝する経路を説明できる
第4回 呼吸、電子伝達系、酸化的リン酸化 ミトコンドリアにおいて、グルコースを代謝して取り出した電子を用いてATPを合成するしくみを説明できる
第5回 第1〜4回の復習 + 第1回中間試験(60分) 第1〜4回の講義内容について説明できる
第6回 代謝調節の原理 細胞や動物個体がそのおかれた状況に応答してエネルギー代謝レベルを変動させる原理を分子レベルで説明できる
第7回 糖代謝の調節 細胞や動物個体がそのおかれた状況に応答して糖代謝レベルを変動させる分子メカニズムを説明できる
第8回 脂質代謝 細胞が脂肪酸を分解してATPを合成する代謝経路と、細胞や動物個体がおかれた状況に応答して脂質代謝レベルを変動させる分子メカニズムを説明できる
第9回 アミノ酸代謝 細胞がアミノ酸を分解してATPを合成する代謝経路と、細胞や動物個体がおかれた状況に応答してアミノ酸代謝レベルを変動させる分子メカニズムを説明できる
第10回 第6〜9回の復習 + 第2回中間試験(60分) 第6〜9回の講義内容について説明できる
第11回 ヌクレオチド代謝 細胞がDNAやRNAを合成する材料として用いるヌクレオチドを合成・分解する代謝経路を説明できる
第12回 生物個体レベルでの恒常性維持のしくみと意義、疾患 生物の恒常性維持機構とその重要性、さらにその破綻がひき起こす疾患の発症機構を説明できる
第13回 ホルモン 内分泌系におけるホルモンの役割を説明できる
第14回 シグナル分子としての代謝産物 細胞機能や恒常性維持の制御において、代謝産物がシグナル分子として担う役割を説明できる
第15回 第11〜14回の復習 + 期末試験(60分) 第11〜14回の講義内容について説明できる

教科書

ヴォート 生化学 第4版 (上・下)。他に必要な資料は毎回プリントとして配布する。

参考書、講義資料等

細胞の分子生物学 第5版(Alberts 他, ニュートンプレス)、エリオット 生化学・分子生物学 第3版、他に必要な資料は毎回プリントとして配布する。

成績評価の基準及び方法

上記到達目標を達成できたかどうかを成績評価の基準とし、第1回中間試験、第2回中間試験、および期末試験で評価する。

関連する科目

  • 生物化学第一
  • 分子生物学第一
  • 分子生物学第二

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修条件は特に設けないが、生物化学第一・分子生物学第一・分子生物学第二を履修していることが望ましい。

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